KDDI茨城衛星通信センター

[KDDI]]茨城衛星通信センターは、かつて茨城県高萩市と日立市にまたがって存在した、KDDIの衛星通信施設です。その歴史は、国際電信電話]が[1963年11月20日に開設した「茨城宇宙通信実験所」に遡ります。これは、衛星通信の実用化に向けた実験施設として設立されました。開所直後の11月23日には、アメリカ航空宇宙局]の通信衛星リレー1号を使い、日米間でテレビ放送の衛星中継実験が初めて行われました。この歴史的な瞬間に、[[ジョン・F・ケネディ大統領暗殺のニュース映像が受信されたことは、特に記憶されるべき出来事です。このことから、この地は「日本の衛星通信発祥の地」とも呼ばれています。

1965年11月には「茨城衛星通信所」と改称され、翌1966年12月からはインテルサット太平洋衛星向けの地球局として運用を開始。1969年5月には、インド洋上の静止衛星を介してヨーロッパ、アフリカ、西アジア向けの衛星通信を可能にした山口衛星通信所が開所し、この二つの施設が日本の国際衛星通信の基幹を担いました。

2002年8月には「茨城衛星通信センター」と再度名称が変更されましたが、現地や建物の表記は「KDDI茨城衛星通信所」のままでした。施設内には小規模な展示施設である「衛星通信館」があり、日中は見学が可能でした。また、敷地内には300本のソメイヨシノが植えられており、花見の季節には多くの訪問客で賑わいました。

しかし、大容量光ファイバー海底ケーブルの普及に伴い、衛星通信の役割は海底ケーブルの補完へと変化しました。この変化に対応するため、KDDIは衛星通信所の機能を山口衛星通信センターへ集約することを決定。太平洋の通信範囲に限られていた茨城衛星通信センターは、2007年3月16日にその役割を終え閉所しました。

閉所直前には、日本アマチュア無線連盟が運用を終了した32メートルパラボラアンテナ1基を借り上げ、月面反射通信を行う「ビッグ・ディッシュ・プロジェクト」を実施。これは、アマチュア無線家にとって非常に興味深いイベントとなりました。施設跡地は、高萩市と日立市に無償で譲渡され、高萩市側は高萩市衛星通信記念公園、日立市側はさくら宇宙公園という愛称で親しまれています。閉所後も、この地は花見客をはじめとする多くの人々が訪れる場所となっています。

さらに、この地に設置されていた2基の32メートルパラボラアンテナは、国立天文台茨城観測局と茨城大学宇宙科学教育研究センターによって電波望遠鏡として活用されています。このことは、この施設が単なる通信施設ではなく、科学研究にも貢献する重要な場所であることを示しています。

2009年11月23日には、「初の太平洋横断衛星テレビジョン伝送」に関する歴史的業績が認められ、IEEEマイルストーンに認定されました。これは、KDDI茨城衛星通信センターが日本の通信技術の発展において、いかに重要な役割を果たしたかを物語るものです。

関連資料として、外部リンクの「いばらきもの知り博士:茨城は日本の衛星通信発祥の地」も参照ください。

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