『KING OF BANDIT JING』について
『KING OF BANDIT JING』(キング・オブ・バンディット・ジン)は、
熊倉裕一による
漫画作品で、前作『
王ドロボウJING』の続編として『
月刊マガジンZ』にて
1999年から
2005年まで連載されました。現在、連載は休止中で再開は未定です。単行本は7巻まで刊行されています。
概要
本作は、どんなものでも盗む「王ドロボウ」のジンと、相棒のキールが、目的の物を盗むために様々な場所を冒険する物語です。各エピソードは独立しており、「
神脳都市ラスティネイル編」や「蒸発王と千年シチュウ編」のように、数話で一つの物語が構成されています。
前作の『
王ドロボウJING』は『
コミックボンボン』に掲載されていましたが、よりリアルでシリアスな描写が増えたため、青年
漫画雑誌である『
月刊マガジンZ』に移籍し、タイトルも『KING OF BANDIT JING』と改められました。移行後は、緻密に描き込まれた背景や絵柄、絶妙なセリフ回しが人気を集めています。
各エピソードでは、ジンは「ジンガール」と呼ばれるヒロインと出会い、共に目的の物を盗むために行動します。また、登場人物や地名には世界のお
酒の名前が使われているのも特徴です。一見難解に見えますが、コミカルなギャグも多く盛り込まれています。
主要登場人物
ジン (Jing):主人公。「王ドロボウ」と呼ばれるほどの盗みの腕を持つ。黄色のロングコートが特徴で、右腕の手甲に仕込んだ刀と、キールとの合体技「キールロワイヤル」を武器とする。エピソードごとに年齢が異なる。
キール (Kir):ジンの相棒。人語を操る黒い鳥で、おしゃべりで美女好き。ジンと合体することで「キールロワイヤル」を放つ。
各編のあらすじと登場人物
楽園のこどもたち編 (Les enfants du paradis)
前作『
王ドロボウJING』の第1話冒頭でジンが持っていたクリスタルを入手するまでの物語。
鉱石城市ツァリーヌを舞台に、亡き支配者キュンメルの遺品「液晶卵」を盗み出したジンが、キュンメルの部下や街の領主オルゾと関わる。
スレッジハンマー:地下で
鉱石を掘る三つ目の種族。
キュンメル:ツァリーヌを支配するマフィアのボス。復活を遂げる。
オルゾ:ツァリーヌの領主である三つ目の少年。
神脳都市ラスティネイル編 (in Rusty Nail)
神脳都市ラスティネイルを舞台に、ジンの前に都市を維持する
医師ウーリャンや、
フランケンシュタインの戦士である純血肢(スピリトゥアーリ)が現れる。
シン・ルー:ウーリャン博士の
助手で
看護師。過去のレントゲン写真を大切にしている。
ウーリャン:臓器移植技術に優れた
医師。
ブラディ・シーザー:純血肢の首魁。
蒸発王と千年シチュウ編 (coronation of the Lost King)
白夜ノ砂漠で悪漢に追われていたジンが、旅芸人一座と出会い、千年シチュウの
食材である少女シュガーを巡る物語。
シュガー:額に角を持つ少女。千年シチュウの
食材。
グレナデン:シュガーの姉。
赤い風車と恋愛税編 (Moulin Rouge et le taxe sur l'amour)
葬礼特区ムーラン・ルージュを舞台に、恋愛税を徴収する特区長ボルスと、税を逃れ密かに恋愛を楽しむ人々を描く。
アニゼット:
検問の審査官。ジンに恋をする。
ジェット27:アニゼットに恋をしたロボット。
ボルス:恋愛税を導入した特区長。
陽気な未亡人の宴編 (banquet of Merry Widow)
復興を遂げた街メリィ・ウィドウを舞台に、ジンは「見えざる楽器」・奏
神器を求め、少女アリーゼやバーディネとともに、街を支配するエギュベルと対峙する。
アリーゼ:エギュベルに復讐を誓う少女。
エギュベル:街を支配する人物。
バーディネ:奏
神器の開発に関わった男性。
黒天鵞絨の底編 (at the bottom of BLACK VELVET)
宗教団体・奇蹄会から盗んだ聖衣によって飛ばされた先で、少女ピコンと出会い、暗闇の都からの脱出を試みる。
ピコン:王様の遠縁の少女。
番外編
Joshua Tree(ヨシュア・トゥリー):カメラマンが殺人事件を目撃する短編。
JING:elsur:ジンがキールと出会う前の物語。樽なき
酒の街で、サザン・コンフォートという架空の国を手に入れるために全てを売り払った男との出会いを描く。
既刊一覧
以下に単行本の発売日とISBNコードを記載します。
1999年12月14日、ISBN 978-4-06-349003-9
2000年07月18日、ISBN 978-4-06-349020-6
2001年03月21日、ISBN 978-4-06-349051-0
2001年12月21日、ISBN 978-4-06-349078-7
2003年01月21日、ISBN 978-4-06-349113-5
2004年03月10日、ISBN 978-4-06-349155-5
2005年07月22日、ISBN 978-4-06-349212-5
関連作品
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