KISS (L'Arc〜en〜Cielのアルバム)

アルバム『KISS』の解説

『KISS』は、L'Arc〜en〜Cielによる日本のロックバンドの11作目のスタジオ・アルバムで、2007年11月21日にリリースされました。約2年ぶりの新作であり、タイトルはメンバーのhydeが名付けました。本作は、温かい愛情の表現をテーマに、様々な音楽ジャンルにアプローチした楽曲が収められています。加えて、以前のアルバム『AWAKE』のリリース以来、約5ヶ月にわたり続いた連続リリースの一環として流通しました。

背景と制作

L'Arc〜en〜Cielは、2005年9月に初のアジアツアーが終了してから、メンバー各自がソロ活動を行い、2006年10月の15周年イベントで再結集した後に『KISS』の制作に取り掛かりました。hydeはこの時、バンド独特の音楽性の幅を広げることを意識していたと語っています。前作『AWAKE』が内面的なテーマであったのに対し、今作は「身近な人々との関係」や「日常における温かな愛情」に焦点を当てています。

音楽スタイル

アルバムには、シンフォニックなロックやポップ・ミュージックが多様に収録されており、メンバーはポップなアルバムを意識してレコーディングしました。具体的には、ゴージャスなアレンジを施した楽曲群と、ヒップホップやダンスミュージックの影響を含んだ楽曲が特徴的です。特に、リズミカルでキャッチーなメロディが評価されています。kenは自分が驚ける曲作りを重視し、全ての楽器が独自の存在感を持つような楽曲を心掛けました。

収録曲について

本作には、先行シングル「SEVENTH HEAVEN」、「MY HEART DRAWS A DREAM」、「DAYBREAK'S BELL」、さらには2005年発表の「Link」の新バージョンなど、全12曲が収められています。これらの楽曲は、ライブツアーに先行して披露され、ファンからの期待を一層高めました。

• - SEVENTH HEAVEN: ニューレイヴ感覚を取り入れたアップテンポなロックナンバー。アレンジは充実したビートが特徴。
• - MY HEART DRAWS A DREAM: 流麗なギターとオーケストラの融合が印象的な、壮大なメロディを持つバラード。
• - Hurry Xmas: ジャズテイストのクリスマスソングで、ストリングスとホーンをふんだんに使用。

リリースと評価

『KISS』は、海外の音楽マーケットにも積極的に展開され、特に欧州盤もリリースされました。このアルバムは多様な音楽的要素を包含し、言葉が持つ力やメロディの美しさを追求しています。批評家やファンからは、前作とのコンセプトの違いや、音楽性の幅広さが評価され、多くのファンを惹きつけました。

アートワーク

アルバムのビジュアルデザインは、グラフィックデザイナーの関本明子によって手掛けられ、アートワークは连接や絆をテーマにしています。ブックレットのデザインも工夫が凝らされており、タイトルの『KISS』のコンセプトとは裏腹に、温かい愛情を表現した作品となっています。

ライブ活動

アルバムリリース後、L'Arc〜en〜Cielは『KISS』を引っ提げて、ツアー「TOUR 2007-2008 THEATER OF KISS」を開催しました。このツアーでは、新曲が次々と披露され、バンドの新たなアプローチを支持する多くのファンが参加しました。特に、欧州公演ではメンバーの反響も大きく、世界中のファンとの絆を深めることができました。

『KISS』は、L'Arc〜en〜Cielの作品の中でも特にポジティブなメッセージが強調されており、これからの未来に向けた期待感を与えるアルバムとして、多くのリスナーに愛されています。

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