KK戦争

KK戦争の背景と経過

KK戦争は、1990年代の日本における自由民主党内の複雑な権力闘争を象徴しています。元は宮澤喜一会長の後継を巡り、彼の側近であった加藤紘一と河野洋平のライバル関係から生じたものです。加藤は中堅や若手の支持を受け、河野はベテランや中堅の支持を集めていました。

自民党の下野

1993年、宮澤内閣は不信任決議案が可決され、衆議院が解散。その後行われた第40回衆議院議員総選挙で自民党は過半数を割り込み、宮澤が辞任しました。後継の総裁選で、河野が加藤を出し抜いて当選し、自民党内の権力が揺らぎました。加藤はその後、河野の下で党政調会長に就任しますが、派内の緊張関係は続きました。

橋本総裁の誕生

1995年の第17回参議院議員通常選挙では、新進党の躍進により、河野総裁の退任問題が浮上しました。加藤は、山崎拓と共に橋本龍太郎の擁立を画策し、最終的に河野は総裁選出馬を断念。これにより、橋本が当選し、加藤は幹事長に就任することとなりました。

橋本内閣の発足とその後

1996年、橋本内閣がスタート。その後、自民党は衆議院において単独過半数を回復し、加藤幹事長はその任期を続けます。しかし、1998年の第18回参議院議員通常選挙で自民党が敗北し、橋本総理が辞任。加藤派と河野派は再び対立し、宏池会内での分裂が進んでいきました。

小渕内閣とその影響

小渕恵三が総裁に就任し、加藤は幹事長を退任。宏池会の分裂が顕著になり、加藤派は議員数を15人にまで減らし、党内の影響力が失われていきました。加藤は2001年の総裁選では小泉純一郎を支持しましたが、結果的に閣内での地位は冷遇されました。

加藤の離党と政界からの引退

加藤は2002年に秘書の贈収賄疑惑の責任を取り離党し、政治活動から距離を置きました。その後も苦境が続き、2012年の選挙で落選し引退。彼はその後、数年でこの世を去りました。

一方、河野はポスト森の有力候補と目されましたが、官僚たちとの関係が悪化し政界からの影が薄れていきました。彼もまた、2009年に政界を引退しました。

結論

KK戦争は、自由民主党内における権力闘争だけでなく、日本政治の流れを変える重要な出来事でした。加藤紘一と河野洋平の対立は、後の政治情勢に多大な影響を与え、それぞれの政治的キャリアにも転機をもたらしました。

もう一度検索