KOIZUMI IN THE HOUSE

アルバム『KOIZUMI IN THE HOUSE』の概要

『KOIZUMI IN THE HOUSE』（コイズミ・イン・ザ・ハウス）は、小泉今日子の14枚目となるオリジナル・アルバムで、1989年5月21日にビクター音楽産業からリリースされました。この作品は、当時の音楽シーンに新鮮な風を吹き込むハウス・ミュージックを取り入れたもので、アイドルとしての小泉の新たな側面を引き出す試みがなされています。

背景

本アルバムは、小泉自身の提案により、近田春夫をプロデューサーに迎えて制作されました。近田は、既にヒットを飛ばしたアーティストであり、彼とのコラボレーションがどのような音楽を生み出すのか、ファンの期待も高まりました。先行シングルとして発表された「Fade Out」は、アルバムの中でも特に人気のあるトラックです。また、アルバムのラストには1987年にリリースされたシングル「水のルージュ」のリミックス版が収録されており、過去のヒット曲を新たな形で楽しむことができます。

ハウス・ミュージックのスタイルを基にしながらも、ゴーゴー・Pファンクの要素も取り入れられた本作は、ダンス・ミュージックのファンのみならず、多くのリスナーから大きな反響が得られました。

音楽制作の背後にあるストーリー

小泉は、写真家の小暮徹やイラストレーターのこぐれひでこ夫妻と知り合い、その中で近田春夫のファンとなりました。小暮夫婦との交流の中で、近田の音楽に対する憧れが育まれ、彼と共に音楽を作ることを強く希望するようになったといいます。また、近田がプロデュースを担当していたバンド、ジューシィ・フルーツのファンであったことも、彼とのコラボレーション希望の背景にありました。

当初は近田に全曲の制作を依頼する計画がありましたが、話し合いの結果、井上ヨシマサや小西康陽も楽曲制作に加わることになりました。これは、制作の負担を軽減し、より多様な音楽スタイルを実現するための考慮でした。また、アルバムのタイトルも近田によるもので、彼のアイデアが根底にあります。

アルバムのキャッチコピー

本作のキャッチコピーとして、「ハウスをお茶の間に」というフレーズが採用されました。これは編集者の川勝正幸による提案で、普段の生活の中にハウス・ミュージックを取り入れようという意図が込められています。

再発盤とボーナストラック

2007年8月22日には、デジタルリマスターされた紙ジャケット仕様の再発盤がリリースされました。この再発盤には、ミニ・アルバム『Fade Out (Super Remix Tracks)』から新たに2曲がボーナストラックとして追加されています。これにより、新旧のファンにとっても楽しめる内容となっています。

まとめ

『KOIZUMI IN THE HOUSE』は、当時の音楽シーンに多大な影響を与えた作品であり、今もなお多くのリスナーに愛されています。小泉今日子がアイドルの枠を超えて、アーティストとして成長していく姿を感じさせるアルバムと言えるでしょう。

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