水のルージュ

水のルージュ

『水のルージュ』（みずのルージュ）は、日本の歌手小泉今日子が1987年にリリースした21枚目のシングルである。1987年2月25日にビクター音楽産業から発売され、同年5月1日にはリミックスを施した12インチシングルもリリースされた。この楽曲は、カネボウ化粧品の春のCMソングとして採用され、小泉自身がCMにも登場したことで注目を集めた。

概要

表題曲『水のルージュ』は、カネボウの口紅「AQUA ROUGE」のイメージにマッチするように制作された。この曲のサビ部分は本来、下のメロディーで構成されているが、小泉は「こっちの方が綺麗」との理由で上のメロディーを歌っており、これが彼女の新たな一面を引き出している。曲の制作においては、作詞を松本隆、作曲を筒美京平が手掛け、実力派の二人が揃ったことが大きな要因となっている。松本はカネボウの担当者との打ち合わせを通じて、潤いのある唇をイメージし、歌詞に深みを与えた。

筒美は当時のシングルのスタイルに新しい風を吹き込むべく、珍しくハウス系のダンスビートを盛り込んだ。これにより、クールな音色の中にも力強いビート感を持つ楽曲に仕上がったことが評価され、リリース後、オリコンチャートで1位を獲得するという成果を収めた。

リミックスと評価

さらに、同年5月1日にはリミックス版の『DANCING MIX』がリリースされた。これは、1985年のシングル『ハートブレイカー』以来、久々の12インチシングルとして発売され、ファンの間でも話題となった。しかし、同年6月には、この12インチがオリコンシングルチャートで過去の高順位から急落し、最も高い位置から次週に100位圏外へ下がるという記録も残している。これは当時のチャート動向から見ても、注目に値する現象だ。

アルバムへの収録

『水のルージュ』は、アルバム『Phantasien』（1987年）にも収録されており、このバージョンでは土屋昌巳と中村哲による編曲が施された。また、1989年のアルバム『KOIZUMI IN THE HOUSE』にも収録され、リミックス版も含まれ多様なアレンジで聴くことができる。さらには、1991年には8cmCDとして再リリースされ、そのカップリングには「Smile Again」が収録されている。

収録曲について

本シングルは、以下の収録曲から成っている:

• - 水のルージュ
• - Kiss
• - 水のルージュ（12インチバージョン）
• - 水のルージュ（DANCING MIX）
• - 水のルージュ／Smile Again（カラオケバージョン含む）

全楽曲の作詞は松本隆、作曲は筒美京平、編曲は大村雅朗が担当しており、そのコラボレーションが音楽的な完成度を高めている。

関連情報

『水のルージュ』は1987年の音楽界でも重要な位置を占めており、その影響は今なお評価され続けている。鈴木祥子がデビュー前に小泉のバックバンドとして参加していたことも、興味深いエピソードの一つである。また、2024年には金澤豊によるカバーが予定されており、今後もこの楽曲の魅力が広がることが期待されている。

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