KOUZIRO

株式会社KOUZIRO(コウジロ)について



概要


株式会社KOUZIROは、かつて個別にパソコンの組み立てと販売を行っていた企業で、屋号は「フロンティア神代(FRONTIER)」です。本社は山口県柳井市に位置し、家電量販店のヤマダ電機が完全子会社となっていることが特徴です。KOUZIROは、パソコンの通信販売の草分け的存在であり、特にBTO(Build to Order)への対応で知られていますで、長い歴史を持つ企業です。

企業の成り立ち


1981年、初代社長の神代昭治が文房具店からスタートし、若い世代にはまだ馴染みのなかったコンピューターを販売し始めたことが、この会社の起点でした。1987年以降、直営店を増やし、業績を拡大させることに成功しました。この時期から本格的にコンピューター販売にシフトし、法人化を果たします。

オリジナルブランド「FRONTIER」


1993年には自社ブランドである「FRONTIER」を立ち上げ、オーダーメイドシステムを導入しました。これにより、顧客は自分の好みに合わせたパソコンを注文できるようになりました。市場競争が厳しい中で、品質と価格の両方を追求し、顧客の支持を集めました。特に、通信販売での強みがあり、コンピュータ雑誌の広告を利用するなどして認知度を高めました。

業績の変化と戦略


1990年代半ばにWindowsが普及し、古いPC-9800シリーズが衰退するにつれ、KOUZIROの業績も回復しました。1996年、東京の秋葉原に出店すると、1999年には本社を柳井市の工業団地に移転し、生産能力を向上させました。しかし、パソコンショップの展開が増えたことで競争が激化し、原価競争が困難となりました。

事業の転換


2000年には新たな高性能デスクトップPC「G-BREAK」を投入しましたが、これが逆に従来の顧客層を失う結果になりました。新しい顧客となった初・中級者への対応が不十分で、評判の悪化が響き、次第に直営店を閉鎖せざるを得なくなりました。マーケティングを見直し、販売の軸を通販と法人向けに移行しました。

ヤマダ電機の傘下に


この流れの中、ヤマダ電機との提携が進み、KOUZIROは同社から大幅な増資を受け入れました。そして、2004年に社名をKOUZIROに変更し、新しいロゴを採用しました。2006年には法人営業の拠点を整理するなど、組織をスリム化していきます。

終焉とその後


2013年にはヤマダ電機に吸収合併される形で解散となり、「FRONTIER」としてのパソコン事業は、ヤマダ電機の子会社であるインバースネットに引き継がれました。KOUZIROは、パソコン市場の進化と競争の中で多くの経験と教訓を残し、その歴史は今日も語り継がれています。

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