KTF

KTF（ケイティーエフ）についての概要

KTF（ケイティーエフ）は、かつて韓国において携帯電話事業を展開していた企業です。1996年に韓国で新たに1900MHz帯の周波数が携帯電話用に割り当てられる中、KT系の韓国通信フリーテルとハンソルグループのハンソルMドットコムが合併し、KTフリーテルとしてスタートしました。2006年にKTFに改名し、2009年6月には親会社KTと合併することになります。

KTFは、携帯電話の固有番号として016と018を使用していました。韓国では各事業者ごとに固定の番号が割り当てられていますが、将来的には010へと統一される予定があります。KTFは1900MHz帯でCDMA技術を使用し、さらに第3世代の通信方式であるEVDOを採用した『Fimm』というサービスを展開しました。この他にも、公衆無線LANと携帯電話サービスを融合させた『Nespot』や、2007年3月からは新たにW-CDMA方式を用いた『SHOW』（ショー）というサービスも提供していました。

KTFの韓国国内での市場シェアは約30%で、SKテレコムに次ぐ2位でした。ただし、後発の参入で使っている周波数帯の特性上、音質が劣る点が影響し、SKテレコムに対して競争力を持てない状況でした。しかし、通話料金が相対的に安く、優れた利用マナーを促進する広告を展開することで。番号ポータビリティ制度が導入された後、徐々にシェアを拡大していきました。

KTFは、2007年3月に全国でHSDPA網の充足率を99%達成し、競合他社に先駆けて新しいサービスSHOWを発表。これにより、国内でのHSDPA市場のシェアを約70%に引き上げる成功を収めました。ただし、ユーザーの多くは自社からの移行だったため、SKテレコムの市場シェアを崩すには至りませんでした。さらに、KTFテクノロジーズを通じ、自社の端末開発及び海外への輸出も行っており、デジタル移動体放送（DMB）のサービスも展開していました。

2004年には韓国証券取引所に上場し、証券コードは32390です。また、韓国バスケットボールリーグ（KBL）への新規参入チーム「釜山KTFマジックウィンズ」を設立し、2000年からはeスポーツ界で人気を誇るKTF Magicns（現KT Rolster）のスポンサーも務めました。

NTTドコモとの提携

2005年末には、KTがNTTドコモとの資本提携を結びました。これは第3世代サービスの強化に向けて実施されたものであり、NTTドコモはHSDPA端末の共同調達を行いました。2008年3月には、KTFとNTTドコモを含むアジア7社による『コネクサス・モバイル・アライアンス』を設立し、データ通信の格安国際ローミングプランの発表も行われています。

2009年3月からは、NTTドコモの国際ローミングサービス『WORLD WING』を韓国で利用する際にKTFによって管理された番号を取得でき、通常の国際通話料金よりも大幅に価格が割引されるサービスも開始されました。

このようにKTFは韓国の携帯電話市場での競争において重要な役割を果たしてきましたが、2009年にKTに合併され、Historyの一部となりました。

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