KWord

KWordは、かつてCalligra Suiteプロジェクトに属していた、自由ソフトウェアのワープロソフトです。現在はWordsという名称に変更されています。

フレームベースのレイアウト

KWordの大きな特徴は、そのテキストレイアウト方式にあります。Adobe FrameMakerに似たフレームベースを採用しており、ページ上の任意の場所にフレームを配置し、そこにテキスト、グラフィックス、埋め込みオブジェクトなどを自由に配置できます。新規ページは、まず1つのフレームとして扱われますが、テキストは複数のフレームを連結することで、連続的に配置することが可能です。このフレーム機能によって、複雑なグラフィカルレイアウトを比較的容易に実現できます。

歴史と背景

KWordは、1998年にKOfficeプロジェクトの一環として誕生しました。開発にあたっては、Adobe FrameMakerからフレームの概念を取り入れています。初期の開発者は、オブジェクト指向プログラミングの経験が浅かったため、コードの質については課題があったことを認めています。

2000年頃には、KWordには多くの問題が残されたまま、開発が停滞してしまいました。そのため、公式なリリースが長らく行われない状態が続きました。

DTPとの比較

フレームは、KWordだけでなく多くのDTPアプリケーションでも採用されているレイアウト方式です。しかし、DTPでは「マスターページ」という概念が導入されており、文書の構造を設計する上で重要な役割を果たします。マスターページは、文書全体のスタイルやレイアウトを定義し、ページ全体で一貫性を保つのに役立ちますが、その背後にある概念が理解しにくく、使いこなしが難しいという側面もありました。

KWordでは、例えば1ページに収まりきらないテキストを複数ページに分割する際、フレームの配置をマスターページから柔軟にコピーすることが可能です。これにより、ユーザーは高度なレイアウトを、より簡単に実現できるようになっています。

外部リンク

公式サイト - KWordでサポートされているファイル形式の一覧
KWord alpha in Windows

もう一度検索