KaiOS

KaiOSとは

KaiOSは、Linuxをベースとしたオペレーティングシステムであり、スマートフォンのような高度な機能と、フィーチャーフォンのような手頃な価格の両立を目指して開発されました。2016年にMozillaによって開発が中止されたFirefox OSの後継として、オープンソースコミュニティによって開発されたB2G OS（Boot to Gecko）から派生しています。

主な特徴

KaiOSは、以下の点で特徴づけられます。

4G LTE、GPS、Wi-Fi対応: 高速なネットワーク接続と位置情報サービスを利用できます。
HTML5ベースのアプリ: 軽量で効率的なアプリが動作し、専用のアプリストア「KaiStore」からダウンロードできます。Twitter、Facebook、YouTubeなどの人気サービスもプリインストールされています。
低スペックデバイスへの最適化: 少ないメモリと電力消費で動作するため、256MB程度のメモリしか搭載していないデバイスでもスムーズに動作します。
タッチパネル非搭載デバイスへの最適化: 長いバッテリー寿命と、操作しやすいユーザーインターフェースを実現しています。

市場シェアと成長

2018年5月の市場分析では、インドにおいてKaiOSのシェアがAppleのiOSを上回り、2位に位置づけられました。Androidが71%のシェアで首位を占める中、KaiOSは9%のシェアを獲得し、その成長は戦略的な価格設定のJioPhoneの普及に大きく貢献しています。

開発と歴史

KaiOSは2017年に初登場し、現在は香港を拠点とするKaiOS Technologies Inc.によって開発されています。2018年6月にはGoogleから2200万ドルの出資を受け、2020年にはフィーチャーフォン向けのWikipediaアプリをインドで発表し、世界中の言語に対応させました。

KaiOS搭載デバイス

KaiOSを搭載した主なデバイスには、以下のようなものがあります。

Alcatel OneTouch Go Flip (AT&TではCingular Flip 2として知られる)
Reliance Jio JioPhone, JioPhone F101K, F10Q, F120B, F220B, F300B, F30C, F41T, F50Y, F61F, F81E, F90M, LF-2403N, JioPhone 2
Nokia 8110 4G (KaiOSベースのプラットフォームであるSmart Feature OSを搭載)
Doro 7050/7060
CAT B35
Maxcom MK241, MK281

パートナーシップ

KaiOS Technologiesは、2018年2月にAirfind、Facebook、Google、Twitter、Bullitt、Doro、HMD Global、Micromax、NXP、展訊通信、クアルコム、Jio、スプリント、AT&T、T-モバイルといった企業との提携を発表しています。

日本での展開

2024年のMWCにおいて、Orbic North Americaの日本法人であるJapan OrbicがKaiOSを搭載した携帯電話を日本市場に導入することを発表しました。同年3月11日には、KDDIがKaiOS Technologiesへの出資を公表。さらに7月26日には、KaiOS 3.1を搭載した日本初のフィーチャーフォン「Orbic JOURNEY Pro 4G」がOrbicから発売されました。

まとめ

KaiOSは、フィーチャーフォンの使いやすさとスマートフォンの機能を兼ね備えた、今後も成長が期待されるオペレーティングシステムです。低価格で高性能なデバイスを求めるユーザーにとって、魅力的な選択肢となるでしょう。

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