Kh-101 (ミサイル)

Kh-101 空中発射巡航ミサイル

Kh-101（ロシア語: X-101）は、ロシア連邦のラドゥガ国家機械製造設計局が開発した長距離空中発射巡航ミサイルです。アメリカ国防総省（DoD）識別番号ではAS-23、NATOコードネームでは「コディアック」（Kodiak）と呼ばれています。

概要

1980年代後半に開発が始まり、Kh-55の後継として配備されました。外観はアメリカのAGM-158 JASSM空中発射巡航ミサイルと類似しており、ステルス性を考慮した設計が特徴です。機体前部のエアインテークに出っ張りがなく、Kh-55では機体外にあったエンジンを機体内に収納するなど、RCS（レーダー反射断面積）の低減が重視されています。また、Kh-102という20ktの熱核弾頭を搭載した派生型も存在します。

運用

Kh-101は、Tu-160などの戦略爆撃機から発射されます。ウェポンベイから投下された後、ターボファンエンジンを起動してマッハ0.76まで加速し、TERCOM（地形照合誘導）によって目標近くまで誘導されます。その後、ターミナル誘導段階に入り、DSMAC（デジタルシーンマッチングエリア相関）によって精密に目標を破壊します。

誘導方式は、慣性誘導、衛星誘導、TERCOM、DSMACなどが用いられ、CEP（半数必中界）は10m未満と非常に高い精度を誇ります。ただし、DSMACであるOtblesk-Uは深刻な制限があると指摘されており、巡航中はTERCOMが使用され、目標に接近するターミナル誘導段階でのみ使用されると考えられています。

特徴

Kh-101はL-504チャフディスペンサーを搭載しており、敵のレーダーによる捕捉を回避する能力を持っています。2022年ロシアのウクライナ侵攻では、故障または撃墜されたKh-101に搭載されているのが確認されています。2023年12月29日に発生したロシア軍による大規模攻撃では、発射されたKh-101がチャフディスペンサーを作動させながら飛行する様子が撮影されました。また、2024年にはウクライナ軍が、Kh-101をブローニングM2重機関銃で撃墜したとする映像を公開しています。

搭載機

Tu-95MSM
Tu-160M
Tu-22M3M

運用国

ロシア

ロシア航空宇宙軍がKh-101を運用しています。

脚注

* [外部リンク] (参考資料へのリンクをここに記載)

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