KompoZer

KompoZerは、Webオーサリングツールの一つで、自由ソフトウェアとして提供されています。Windows、Mac OS X、GNU/Linuxといった主要なオペレーティングシステムに対応しており、誰でも無償で利用できます。

KompoZerは、かつて存在したWebオーサリングツール「Nvu」をベースに開発されました。Nvuの開発が中止された後、その公式サイトでは、KompoZerの利用が推奨されるようになりました。Nvuから派生したソフトウェアとしては、他にBlueGriffonがあります。

概要

KompoZerの最大の特徴は、WYSIWYG（What You See Is What You Get）方式による直感的なWebページ作成が可能な点です。これにより、HTMLやCSSといった専門知識がなくても、見たままの状態でWebページを編集できます。ただし、市販のWebオーサリングツールと比較すると、メニューの数は少なく、生成されるコードも比較的シンプルです。そのため、コンテンツ管理システム（CMS）によるWebページ制作を補完するような使い方に適しています。

標準設定では、HTML 4.0としてドキュメントが作成されますが、XHTML 1.0にも設定変更が可能です。また、CSSコードはHTMLファイル内に挿入される設定になっていますが、外部CSSファイルを対話的に編集できる機能も備わっています。

KompoZerは、HTMLレンダリングエンジンとしてGeckoを採用しています。しかし、KompoZer 0.7.10で採用されているGeckoのバージョンは、Firefox 1.0時代の古いものであり、最新のWeb技術には対応していません。しかし、生成されるページはWeb標準に準拠しており、主要なブラウザではほぼ同じレイアウトで表示されます。

FTP機能も内蔵されていますが、ローカル側のファイル一覧ができないなど、機能的な制約があります。しかし、アップロードしたHTMLコードに対して、W3Cのバリデーションチェックを行う機能は、Webサイトの品質向上に役立ちます。

日本語での利用

KompoZerの標準ユーザーインターフェースは英語ですが、使用言語やキャラクターセットを適切に設定することで、日本語ページも問題なく編集できます。さらに、ランゲージパックを利用することで、ユーザーインターフェースを日本語化することも可能です。KompoZer 0.7.10向けには、もとひこ氏によって作成されたJLP（Japanese Language Pack）が公式サイトで公開されており、ヘルプの一部を除いて、メニューを日本語化できます。

注意点

KompoZerは、2010年以降アップデートが停止しており、HTML5などの最新のWeb技術には対応していません。そのため、最新のWebサイト制作には適していない場合があります。しかし、HTML4.0やXHTML1.0で構築されたWebサイトを編集したり、Webサイト制作の入門として使用したりするには、依然として有用なツールです。

脚注

関連項目

Mozilla
Mozilla Composer
Gecko
Nvu
BlueGriffon

外部リンク

KompoZer 公式サイト（英語）
KompoZer プロジェクトサイト（英語）
KompoZer 日本語ミラーサイト
Kompozer(Nvu)の日本語マニュアルサイト
初心者がNvu・KompoZerでつくるホームページ講座 - ウェイバックマシン（2019年1月1日アーカイブ分）

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