Ksp 58

Ksp 58 (Kulspruta 58) について

Ksp 58、またはKulspruta 58は、スウェーデンで国産化されたFN MAG機関銃です。1958年にスウェーデン軍に採用されて以来、長年にわたり主力機関銃として活躍しました。

概要

Ksp 58の制式名称は「58年型機関銃」を意味します。採用当時、スウェーデン軍では短機関銃や自動小銃を近代的な突撃銃に更新する計画がありましたが、政治的な議論により選定が遅れていました。そのため、7.62x51mm NATO弾を使用するFN MAGを原型としながらも、Ksp 58は初期モデルでは、当時のスウェーデン軍の標準小銃弾である6.5x55mm弾を使用する機関銃として設計されました。1964年に7.62x51mm弾を使用するAk 4小銃が採用されたことを受け、Ksp 58も7.62x51mm弾仕様のKsp 58Bが開発され、1970年代を通じて改修が行われました。

陸軍では、1960年までに旧式のKsp m/36機関銃をKsp 58に更新しました。一方で、海軍沿岸砲兵隊や要塞部隊では、その後も旧式機関銃が使用されました。

運用

Ksp 58は、元々は射手、装填手、指揮者の3人で運用される装備でした。この3人からなる機関銃チームは、援護班や援護小隊に組み込まれていました。しかし、陸軍の部隊編成制度の変更により、機関銃チームは射撃班と統合され、指揮者を除いた2人で運用されるようになりました。1990年代に陸軍の機械化が進むと、車両搭乗時の都合から、装填手を付けずに射手のみで運用することも増えましたが、予備弾薬の携行量が減少するという問題がありました。この点が、小口径のKsp 90への更新が進む一因となりました。

現在では、Ksp 90の採用後、Ksp 58は主に車両や船舶向けの積載機関銃として運用されています。しかし、海軍水陸両用軍団や郷土防衛隊では、依然として2人運用機関銃として配備されています。

操作

Ksp 58は弾帯給弾式の機関銃です。弾帯は50発ごとに区切られており、必要に応じて複数接続できます。ただし、装填時には最初の1発を外す必要があり、装填数は49発や99発となります。弾帯は布製ポーチか金属製弾薬箱に収納して運搬します。布製ポーチには50発、弾薬箱には250発の弾帯が収納できます。銃身は数秒で交換できるように設計されており、スウェーデン軍では250発射撃後には冷却のため予備銃身に交換することが定められています。

付属品

標準的なKsp 58には、機関銃本体、銃身2本、銃身ケース、弾薬箱2個、弾薬ポーチ2個、負革、クリーニングロッド、予備部品、手入れ用具が木箱に収められた状態で支給されます。また、雪上設置用の台や演習用空砲アダプタなどが付属する場合もあります。

派生型

Ksp 58: 1958年に採用された初期モデル。6.5x55mm弾を使用。
Ksp 58B: 1970年代初頭に改修された7.62x51mm NATO弾仕様のモデル。照準器用ピカティニーレールを追加したものはKsp 58B2と呼ばれます。Ksp 90採用後は主に郷土防衛隊で使用されています。
Ksp 58C: 車載型。Stridsfordon 90|Stridsfordon_90歩兵戦闘車C型に搭載され、旧式のKsp m/39を更新しました。
Ksp 58 Strv: 車載型で、銃床が除去されています。Strv.103戦車などに搭載されました。
Ksp 58D: Ksp 58Bの近代化改修型で、かつてはKsp 58DFと呼ばれていました。ピカティニーレール、Aimpoint製ドットサイト、短縮された銃身、折畳式銃床、フルート加工、4点式ガス規整子、100発用ポーチ、新型弾薬箱などが採用され、軽量化が図られました。
Ksp 58E: ドアガン型で、Hkp 10およびHkp 15ヘリコプターに搭載されています。

関連項目

FN MAG
Ak 4

Ksp 58は、その長い運用期間と様々な派生型を通じて、スウェーデン軍の重要な機関銃として貢献してきました。

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