L-5 (航空機)

スティンソン L-5 センティネルについて

スティンソン L-5 センティネルは、アメリカ合衆国のスチンソン・エアクラフト社によって製造された連絡および観測機です。これは同社の軽飛行機ボイジャーを元に開発された軍用機で、1941年に正式に採用されました。L-5 センティネルは、1945年までに4,000機以上が生産され、第二次世界大戦や朝鮮戦争において重要な役割を果たしました。特に、短距離離着陸能力に優れ、担架を搭載できるモデルも存在したため、負傷兵の輸送にも広く使用されました。

歴史的背景

L-5 センティネルの基盤となる軽飛行機であるボイジャーは、1939年にモデル105として市場に登場しましたが、1942年には製造が中止されました。ボイジャーはあまりの人気から750機が製造され、アメリカ陸軍航空軍はその評判をもとに1941年にYO-54の名称で6機を調達し、実際にテストを行いました。その結果、改良された機体はO-62として正式に採用されましたが、翌年にはL-5 センティネルという名称に改称されました。この機体はその後、一部がアメリカ海軍および海兵隊に配備されることとなり、OYという名前が付けられました。

ヴァリエーション

L-5 センティネルにはいくつかの派生型が存在し、それぞれ異なる特徴を持っています。最初の量産モデルであるO-62/L-5は1,813機が生産されました。

• - L-5A: 電気システムが改修され、688機がL-5から改修されました。
• - L-5B: 後部胴体が担架に対応できるように改修され、730機が製造されました。
• - L-5C: 偵察用カメラが搭載可能で、200機が生産されました。
• - L-5E: フラップと連動するエルロンが搭載され、750機が生産されました。
• - L-5G: 最終型として、フレームやエンジンが強化されました。

評価用に製造されたXL-5は、独自のエンジンや細部が変更されています。また、アメリカ海軍に移管された機体はOY-1およびOY-2としても知られています。さらに、イギリス空軍に引き渡されたセンチネル Mk.IおよびMk.IIも存在します。

採用国

L-5 センティネルは、アメリカ合衆国を含む多くの国で採用されました。具体的には、オーストラリア、イギリス、ギリシャ、イタリア、韓国、フィリピン、ポーランド、中華民国、中華人民共和国、タイ、日本が含まれます。日本では1953年に保安隊に35機が供与され、『スチンソン』または『L機』との愛称で呼ばれていました。これらの機体は陸上自衛隊の発足後も1958年ごろまで利用されました。

諸元

L-5 センティネルの諸元は以下の通りです。

• - 全長: 7.34 m
• - 全幅: 10.36 m
• - 全高: 2.41 m
• - 翼面積: 14.40 m²
• - 空虚重量: 703 kg
• - 最大離陸重量: 916 kg
• - エンジン: ライカミング O-435-1水平6気筒ピストンエンジン（185 hp）
• - 最大速度: 209 km/h
• - 実用上昇限度: 4,815 m
• - 航続距離: 676 km（最大ペイロードの時）
• - 乗員: 2名

L-5 センティネルはその優れた性能と多用途性から、様々な戦場で重要な役割を果たし続けることができました。

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