LAN Server

LAN Server（LANサーバー）

IBMがかつて販売していたネットワークオペレーティングシステム（NOS）です。1988年に初出荷され、当初はOS/2拡張版上で動作するように設計されました。マイクロソフトのLAN Managerと密接な関係にあり、その親戚とも言える存在でした。

概要

LAN Serverは、当初OS/2拡張版上で動作するように設計され、ネットワーククライアントは「IBM LANリクエスタ」と呼ばれ、OS/2 1.1拡張版に標準搭載されました。その後、Windowsクライアントも提供され、様々な環境での利用が可能となりました。プロトコルとしては、NetBIOSを拡張したNetBEUIなどが利用されました。

IBM LAN Serverは「IBM OS/2 LAN Server」とも呼ばれ、OS/2だけでなく、AIXやOS/400といった他のオペレーティングシステム向けにも提供されました。1996年に登場したOS/2 Warp Serverからは、OS/2 Serverに標準搭載されるようになり、ネットワークの中心的な役割を担いました。

競合製品としては、NovellのNetWareや、マイクロソフトのLAN Manager、その後継であるWindows Serverなどが挙げられます。これらの製品と市場を争いながら、LAN Serverは独自の進化を遂げました。

バージョン

LAN Serverは、数多くのバージョンがリリースされています。

1.0 (1988): OS/2 拡張版 1.0用として登場。
1.2 (1990): OS/2 拡張版 1.2に対応。
1.3 (1991): OS/2 拡張版 1.3に対応。
2.0 (1992): LAN Manager 2.0に相当する機能を提供。
3.0 (1993): Entry版とAdvanced版がリリース。このバージョン以降、LAN Managerとの関係性が薄れます。
4.0 (1994): Entry版とAdvanced版が提供され、新しいオブジェクト指向のユーザーインターフェースが導入。
5.0 (1996): OS/2 Warp Serverに標準搭載。
5.1 (1999): OS/2 Warp Server for e-businessに標準搭載。

LAN Serverの前身としては、IBM PC LAN Program (PCLP) があり、また、LAN Server UltimediaやWorkplace On-Demandにもその変形版が含まれていました。

技術的な側面

LAN Serverは、NetBIOSやNetBEUIといったプロトコルを利用し、ネットワーク上でのファイル共有やプリンター共有などの機能を提供しました。OS/2の拡張機能と密接に連携し、当時のネットワーク環境において重要な役割を果たしました。

関連事項

IBM: LAN Serverの開発元であり、OS/2などのオペレーティングシステムも開発していました。
OS/2: LAN Serverの主要な動作環境であり、密接な関係にありました。
ネットワークオペレーティングシステム: LAN Serverは、ネットワークを管理・制御するためのOSであり、当時多くの企業や組織で利用されました。
LAN Manager: LAN Serverの初期バージョンは、LAN Managerと技術的なつながりがありました。
NetWare: LAN Serverの競合製品であり、ネットワーク市場で激しい競争を繰り広げました。

外部リンク

参考資料1
* IBM公式ドキュメント'>参考資料2

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