LB-2 (航空機)

LB-2陸上攻撃機

LB-2は中島飛行機によって、大日本帝国海軍向けに開発された陸上攻撃機であり、その名は「長距離爆撃機（Long-range Bomber）」を略したものです。社内では「中島式中型陸上攻撃機」という呼び名でも知られ、陸軍向けのキ19や民間向けのAT-2と並行して試作されました。

概要と設計

この攻撃機は、大型機市場への参入を図る中島飛行機によって1936年3月に試作機が完成しました。設計には松村健一技師が主導し、双発の長距離爆撃機というコンセプトが明確に描かれました。しかし、完成後に実施された海軍の審査では、当時類似の役割を果たしていた三菱の九六式陸上攻撃機が注目されていたため、LB-2には関心が寄せられず、不採用となったとされています。また、海軍からは九試陸上攻撃機という試作名称が与えられたとも伝えられています。

改修と民間への転用

試作機は後に民間仕様へと改修され、1937年春に航空局の試験を受け、中島式双発輸送機「暁号」として満州航空に納入されました。この「暁号」は新しい航路の開拓を目的とした試飛行に利用される予定でしたが、日中戦争やノモンハン事件の影響でその計画は中止されました。機体は1941年頃まで奉天北飛行場で運用されていましたが、その後は研究機材として解体されました。

機体の特徴

LB-2は、全金属製の構造を持ち、引込脚を装備した中翼単葉の双発機として設計されています。設計過程では、中島がライセンス生産を行っていたDC-2を参考にしており、エンジンは中島の「光二型」を搭載していました。機体内部は上部に補助燃料タンクと通路、下部に爆弾槽を配置していましたが、「暁号」への改装の際に爆弾槽は撤去され、補助燃料タンクはそのスペースに移されました。その結果、新たに客室が設けられ、爆撃手席や胴体の旋回機銃座も取り外され、爆撃手席の空間は貨物室として利用されるようになりました。

開発計画の経緯

なお、LB-2の開発以前にはLB-1という計画も存在していましたが、こちらは開発に至らず計画の段階で止まっていました。

諸元（暁号）

• - 全長: 19.33 m
• - 全幅: 26.69 m
• - 全高: 5.05 m
• - 主翼面積: 97.94 m²
• - 自重: 5,750 kg
• - 全備重量: 9,630 kg
• - エンジン: 中島 光二型 空冷星型9気筒（離昇840 hp） × 2
• - 最大速度: 328 km/h
• - 巡航速度: 250 km/h
• - 航続距離: 6,000 km
• - 乗員: 4名
• - 乗客: 6名

参考文献

野沢正著『日本航空機総集 中島篇』 出版協同社、1963年、185 - 187頁。全国書誌番号:83032194。

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