陸上攻撃機

陸上攻撃機について

日本海軍が開発した陸上攻撃機は、敵艦隊に対する魚雷攻撃を主な目的とし、艦隊決戦を前提に設計されています。通称「陸攻」と呼ばれ、機種記号はGです。陸上基地から発進し、特に太平洋戦争における戦闘では、その性能が大きく影響を与えました。

概要

陸上攻撃機の起源は、水平爆撃や雷撃を担う機体から発展しました。これらは主に艦上攻撃機とは異なり、陸上基地からの飛行を前提にしているため、その名がつけられました。日本国内での開発にあたり、アメリカ海軍の優位な状況を考慮し、敵艦隊の戦力を漸減させながら、主力艦同士の艦隊決戦で勝利することを目的とした漸減邀撃作戦が策定されました。

この作戦に基づいて、陸上攻撃機は潜水艦やその他の攻撃手段と連携し、敵艦隊を徐々に圧倒する役割を果たしました。陸上からの長大な航続距離を持つ攻撃機は、艦隊決戦に備えるための重要な戦力として位置づけられていました。しかし、その設計上、搭載量の制限から大攻（大型攻撃機）と中攻（中型攻撃機）の二つのカテゴリーに分けられました。大攻の中でも九五式陸上攻撃機や深山、一式陸上攻撃機などは主に使用されましたが、開発の遅延や失敗から中攻の使用が多かったのです。

戦歴

ニッポン号と渡洋爆撃

九六式陸上攻撃機（中攻）は、流行の戦闘機を凌ぐ性能と、民間機である「ニッポン号」の航続力の高さが特徴でした。この機体は、日本の陸上攻撃機の中で初めて本格的に戦略爆撃に挑戦しました。日中戦争では、九州から中国本土への爆撃を行い、世界で初めての戦略爆撃として認知されています。

フィリピン攻略

真珠湾攻撃直後、日本の陸上攻撃機部隊はフィリピンに向けて空爆を実施しました。これにより、アメリカ軍の航空機多数を破壊しました。これによって、日本の航空戦力は開戦初期から優位性を持ちました。

マレー沖海戦

1941年12月、陸上攻撃機はマレー沖海戦においてイギリス艦隊に対抗し、新鋭艦を次々に沈める快挙を達成しました。この際、九六陸攻と一式陸攻が重要な役割を果たしました。

ソロモン諸島方面における消耗戦

南方への展開後、日本の陸上攻撃機部隊はアメリカ海軍との激しい戦闘に遭遇しました。特に1942年からのソロモン戦域では、多くの機体を失いながらも、敵艦の撃沈や航空機の撃墜に成功する等、戦果もありました。

戦争の終息

太平洋戦争の終盤に入ると、アメリカ海軍の防空力が格段に向上し、陸上攻撃機の活躍も減少しました。輸送任務や小型爆撃にシフトし、一部機体が特攻兵器の発射母機として使用されるようになりました。

陸上攻撃機の種類

日本海軍の陸上攻撃機には、九三式陸上攻撃機（G1M）、九五式陸上攻撃機（G2H）、九六式陸上攻撃機（G3M）、一式陸上攻撃機（G4M）などが考案されました。この機体たちは、それぞれ異なる役割を担いながら陸上攻撃機部隊を支えていました。

このように陸上攻撃機は、その航続力や攻撃力で日本海軍の戦術に大きな影響を与え、太平洋戦争において重要な役割を果たしました。

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