LDAC

LDAC (エルダック)とは

LDACは、ソニーが開発した高音質音声圧縮コーデックです。主にBluetooth接続によるオーディオ再生時に利用され、従来のBluetoothオーディオコーデックと比較して、より高品質な音楽体験を提供することを目指しています。

LDACの技術的な特徴

LDACは、最大で990kbpsのビットレート、96kHzのサンプリング周波数、24bitの量子化ビット数に対応しており、いわゆるハイレゾオーディオの再生が可能です。これにより、従来のBluetooth接続では難しかった、音源が持つ豊かな情報量を損なうことなく、高品質な音楽再生を実現します。

このコーデックは、非可逆圧縮方式を採用していますが、MDCT（修正離散コサイン変換）に基づく複合符号化体系を用いることで、効率的なデータ圧縮を実現しています。これにより、高い音質を維持しながら、データ量を削減し、Bluetooth接続における安定したデータ伝送を可能にしています。

LDACの利用状況

LDACは、ソニー製のヘッドフォン、スマートフォン、DAP（デジタルオーディオプレーヤー）、アクティブスピーカー、ホームシアターシステムなど、幅広い製品に採用されています。これらの製品を通じて、LDACの恩恵を享受することができます。

また、Android 8.0 Oreo以降では、LDACエンコーダー（libldac）がAndroid Open Source Project（AOSP）の一部として組み込まれたため、すべてのAndroid端末で自由に利用できるようになりました。これにより、多くのユーザーが高音質で音楽を楽しめるようになりました。

さらに、LDACのエンコーダーライブラリはフリーかつオープンソースであるため、Linux環境においても、bluez-alsaやpulseaudio-modules-btなどのソフトウェアを通じて実装が進んでいます。現時点では、Fedora 29以降のディストリビューションで動作が確認されています。

LDACの競合

LDACの主な競合技術としては、クアルコムのaptX HDが挙げられます。どちらも高音質コーデックとして知られていますが、それぞれ異なる特徴を持っています。LDACは、より高いビットレートに対応し、より多くの音情報を伝送できるという点で優位性があります。

まとめ

LDACは、高音質を追求するユーザーにとって非常に魅力的な音声コーデックです。Bluetooth接続によるワイヤレス環境においても、ハイレゾ音源のポテンシャルを最大限に引き出し、高品質な音楽体験を提供します。Android端末での標準サポートやLinux環境での実装が進むことで、ますます多くのユーザーがLDACの恩恵を享受できるようになるでしょう。

関連項目

A2DP : Bluetoothにおけるオーディオ伝送プロファイル

外部リンク

公式ウェブサイト
* libldac - Git at Google

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