LGV

LGV（エルジェヴェ）は、フランス語でLigne à grande vitesseの略であり、日本語では「高速線」と訳されます。これは、フランスの高速鉄道システムであるTGVが走行するために建設された、標準軌（1,435mm）を採用した高速鉄道専用の路線網を指します。

LGVは、従来の鉄道線路とは異なり、高速走行に特化した設計がなされており、曲線半径を大きくしたり、勾配を緩やかにすることで、TGVが最高速度300km/h以上で安全かつ快適に走行できるようになっています。また、専用の架線や信号システムが導入されており、高速運行を支えています。

現在、フランス国内には以下のLGV路線が営業しています。

LGV南東線：1981年に部分開業し、1983年に全線が開通した、最初のLGV路線です。パリとリヨンを結び、フランスの高速鉄道の歴史を切り開きました。
LGV大西洋線：1989年に部分開業し、1990年に全線が開通しました。パリからフランス西部の主要都市へとつながり、大西洋岸へのアクセスを向上させました。
LGVローヌ・アルプ線：1992年に部分開業し、1994年に全線が開通。リヨンからフランス南東部の都市へと路線を広げ、アルプス山脈へのアクセスも改善しました。
LGV北線：1993年に部分開業し、1996年に全線が開通。パリから北部の主要都市へ接続し、イギリスやベルギーへの国際路線にも接続しています。
LGV東連絡線：1994年に開業。LGV網の連結を強化し、パリ郊外のシャルル・ド・ゴール空港へのアクセスを向上させました。
LGV地中海線：2001年に開業。リヨンから南仏のマルセイユやモンペリエなどの地中海沿岸の都市へと結び、観光地へのアクセスを飛躍的に向上させました。
LGV東ヨーロッパ線：2007年に開業し、2016年に延伸。パリからフランス東部、ドイツ方面へのアクセスを向上させました。
LGVペルピニャン-フィゲラス線：2009年に開業。フランスとスペインを結ぶ国際路線で、高速鉄道の国際的なネットワーク形成に貢献しています。
LGVライン-ローヌ線：2011年に部分開業。フランス東部とドイツ方面を結ぶ路線の一部で、地域間の交流を活発化させています。
LGV南ヨーロッパ大西洋線：2017年に開業。パリからフランス南西部へと路線を延伸し、大西洋岸へのアクセスをさらに向上させました。
* LGVブルターニュ-ペイ・ド・ラ・ロワール線：2017年に開業。フランス北西部のブルターニュ地方へのアクセスを大幅に改善しました。

これらのLGV路線は、フランスの主要都市間を高速で結び、人々の移動をより便利にしました。また、経済発展や観光振興にも大きく貢献しています。今後も、LGV網のさらなる拡大が計画されており、ヨーロッパの高速鉄道ネットワークの中核としての役割が期待されています。

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