LINDBERG II

LINDBERG II：進化の証を刻んだセカンドアルバム

1989年11月25日、徳間ジャパンコミュニケーションズからリリースされたLINDBERGの2ndアルバム『LINDBERG II』。前作『LINDBERG I』からわずか7ヶ月という短いインターバルを経て発表された本作は、バンドの勢いと成長を象徴する作品と言えます。

前作では複数の作家が楽曲制作に関わっていましたが、『LINDBERG II』では編曲を佐藤宣彦氏一人が担当。この統一感のあるサウンドプロデュースが、アルバム全体にまとまりのある雰囲気をもたらしています。さらに、本作からボーカルの渡瀬マキさん以外のメンバーも本格的に作詞・作曲に参加するようになり、バンドとしての創作活動が大きく前進したことがうかがえます。

全12曲を収録したアルバムは、バラエティ豊かな楽曲群で構成されています。アップテンポでキャッチーなナンバーから、しっとりとしたバラードまで、LINDBERGの音楽的幅広さが存分に発揮されています。

特に注目すべきは、後にシングルカットされた「JUMP」です。アルバムバージョンとシングルバージョンではアレンジに違いがあり、アルバムバージョンはよりバンドの生々しい演奏が感じられる仕上がりとなっています。ライブでも定番曲として演奏され、多くのファンを魅了しました。

また、「10セントの小宇宙（ゆめ）」も、ベストアルバムにリテイクで収録されたり、ライブで頻繁に演奏されたりと、高い人気を誇る楽曲です。

その他にも、「Get The Emotion」は後にシングル「JUMP」のカップリング曲としてリリースされました。これらの楽曲は、バンドの音楽性の多様性と、高い音楽性を示す好例と言えます。

各楽曲の作詞作曲者も多様で、渡瀬マキさん、川添智久さん、井上龍仁さん、朝野深雪さん、西脇淳子さん、平川達也さんといったメンバーに加え、佐藤宣彦さんも作曲に参加しています。それぞれの個性豊かな才能が融合することで、楽曲に奥行きと深みを与えています。

『LINDBERG II』は、前作からの進化とバンドメンバーの成長を明確に示した作品です。佐藤宣彦氏による統一感のある編曲、そしてメンバーによる本格的な楽曲制作への参加は、LINDBERGの音楽性をより豊かに、そして力強く進化させたと言えるでしょう。単なるセカンドアルバムではなく、バンドの成熟期への重要なステップとして位置付けられる、歴史に残る作品です。

収録曲

（全編曲：佐藤宣彦）

1. Easy Go Easy Love (作詞: 渡瀬マキ、作曲: 佐藤宣彦)
2. E.F. Funny Face (作詞: 渡瀬マキ、作曲: 川添智久)
3. Get The Emotion (作詞・作曲: 井上龍仁)
4. I'm On Your Side (作詞: 朝野深雪、作曲: 川添智久)
5. My Little Nancy (作詞: 朝野深雪、作曲: 佐藤宣彦)
6. Heart Voice (作詞: 渡瀬マキ、作曲: 川添智久)
7. TRUE (作詞: 渡瀬マキ、作曲: 平川達也)
8. 10セントの小宇宙（ゆめ） (作詞: 西脇淳子、作曲: 平川達也)
9. JUMP (作詞: 西脇淳子、作曲: 佐藤宣彦)
10. 負けないでよ Take My Heart (作詞: 朝野深雪、作曲: 平川達也)
11. きみにできるすべて (作詞: 西脇淳子、作曲: 佐藤宣彦)
12. Big Town (作詞: 渡瀬マキ、作曲: 川添智久)

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