LINDBERG III

LINDBERG III： 飛躍の軌跡を刻んだサードアルバム

1990年、日本の音楽シーンに鮮烈なインパクトを与えたLINDBERG。2ndシングル『今すぐKiss Me』の大ヒットに続き、前作『LINDBERG II』からわずか5ヶ月という短期間でリリースされた3枚目のオリジナルアルバム『LINDBERG III』は、バンドの勢いを象徴する作品となりました。

このアルバムは、徳間ジャパンコミュニケーションズからジャパンレコーズレーベルを通じて発売されました。前作に収録されていた『JUMP』は収録されていませんが、代わりに新曲に加え、2ndシングル『今すぐKiss Me』のアルバムミックスバージョンが収録されています。特に注目すべきは、ファンクラブ名にもなっている『LITTLE WING ～Spirit of LINDBERG～』が1曲目として収録されている点です。この曲は、共同石油のCMソングとして使用され、ライブでも定番曲として演奏され、現在もなお多くのファンに愛されています。さらに、2019年にはBSフジのスポーツ番組『お台場バドミントン学園』のテーマ曲としても使用され、2016年のアニメ『ブレイブウィッチーズ』ではカバーバージョンがエンディングテーマとして採用されるなど、世代を超えて愛されるロングセラーとなっています。

アルバムには、他にも多くの魅力的な楽曲が収録されています。

『RUSH LIFE』：疾走感あふれるロックナンバー。
『今すぐKiss Me (ALBUM MIX)』：シングルとは異なるアレンジが施されたアルバムバージョン。1990年放送の月9ドラマ『世界で一番君が好き!』の主題歌として大ヒットし、2007年の映画『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』でも使用されました。
* 『ROLLING DAYS』『TOUCH DOWN』『VOICE OF ANGEL』『MODERN GIRL』『YOU BELONG TO ME』『SILVER MOON』『忘れないで』『READY GO!』『RAINY DAY』：多彩な楽曲が収録され、LINDBERGの音楽性の幅広さを示しています。

『TOUCH DOWN』はファミリーマートのCMソングとして起用され、『YOU BELONG TO ME』はアルペン'90のCMソングとして使用されました。これらのタイアップによって、さらに多くのリスナーにLINDBERGの音楽が届けられました。

さらに特筆すべきは、本作からドラマーの小柳“cherry”昌法が作曲に参加するようになったことです。メンバー自身も「自信作」と語っていたという『LINDBERG III』は、音楽的な進化と成長を示す、まさにターニングポイントとなる作品でした。

チャート成績も驚異的でした。シングル『今すぐKiss Me』の大ヒットを追い風に、オリコンチャート初登場3位を記録。その後、1位を獲得するなど、最終的には60万枚以上のセールスを記録する大ヒットアルバムとなりました。

そして、音楽史に名を刻むGLAYのTAKUROも、本作を発売当時から愛聴し、その音楽から多くの影響を受けたことを語っています。

『LINDBERG III』は、単なるアルバムとしてではなく、日本の音楽シーンに大きな影響を与えた、時代を象徴する作品と言えるでしょう。その勢いと完成度の高さは、今聴いても色褪せることなく、多くのリスナーを魅了し続けています。このアルバムを聴けば、LINDBERGの音楽性と、彼らの黄金時代の輝きを改めて感じることができるでしょう。

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