LINDBERG VI

LINDBERG VI：新たな境地を開拓したポップ・アルバム

1993年6月18日、日本のロックバンドLINDBERGは6枚目のオリジナルアルバム『LINDBERG VI』をリリースしました。前作『LINDBERG V』から約1年1ヶ月ぶりとなる本作は、14枚目のシングル「会いたくて -Lover Soul-」と同時発売され、大きな話題を呼びました。

『LINDBERG VI』は、これまでのLINDBERGの作風とは一線を画す、新たな魅力に満ちた作品です。従来の力強いロックサウンドはそのままに、歌詞はラブソングが中心となり、サウンド面ではポップな要素を積極的に取り入れています。様々な楽器やアレンジが用いられ、聴き心地の良い、洗練された楽曲群が完成しました。メンバー自身も、このアルバムをこれまでで最も理想的な形で制作できた作品として評価しています。

アルバムの初回盤は、黒いスリーブケースを採用した特別な仕様になっており、コレクターズアイテムとしても人気を博しました。

収録楽曲：多様な魅力が詰まった12曲

全12曲の作詞をボーカルの渡瀬マキが担当。作曲には川添智久、平川達也、小柳昌法と複数のメンバーが参加し、楽曲の多様性を生み出しています。編曲はLINDBERGのメンバーに加え、須貝幸生、神長弘一、井上龍仁といった実力派ミュージシャンが携わっています。

特に注目すべき楽曲をいくつか挙げると、まず、シングルカットされ大ヒットとなった「胸さわぎのAfter School」は、進研ゼミのCMソングとして広く知られるようになり、LINDBERGの代表曲の一つとなりました。アルバムバージョンで収録されています。

また、両A面シングルとしてリリースされた「君に吹く風」と「想い出のWater Moon」も収録。それぞれの楽曲は、異なる魅力を持ち、アルバム全体の幅を広げています。「想い出のWater Moon」はテレビ東京「TVチャンピオン」のエンディングテーマにも起用されました。

さらに、「会いたくて -Lover Soul-」はAXIAのCMソングとして使用され、多くのリスナーの心に響きました。この曲は、アルバムタイトルにもなっている通り、本作を象徴する重要な楽曲と言えるでしょう。

その他にも、「I LOVE YOU」では渡瀬マキがファルセットに挑戦するなど、実験的な試みも見られます。「Be My Valentine」は13枚目のシングルのカップリング曲ですが、アルバムバージョンで収録されています。「念ずれば花開く」は、メンバー全員がLINDBERGについて歌った、軽妙な楽曲で、アルバムにユーモラスな要素を加えています。

まとめ：進化と成熟を遂げたLINDBERGの傑作

『LINDBERG VI』は、これまでのロック路線を踏襲しつつ、ポップな要素を巧みに取り入れ、新たな魅力を創造した意欲的な作品です。ラブソングを中心とした歌詞、洗練されたサウンド、そしてメンバーの充実感あふれる演奏は、リスナーの心を掴んで離しません。LINDBERGの進化と成熟を象徴する、まさに彼らの代表作と言えるでしょう。このアルバムは、LINDBERGの音楽史において、重要な転換点となった作品として、高く評価されています。

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