LINDBERG XI

LINDBERG XI：10年の軌跡と新たな出発

1998年3月25日、日本の音楽シーンに新たな金字塔が打ち立てられました。LINDBERGの11枚目のオリジナルアルバム『LINDBERG XI』（リンドバーグ・イレブン）の発売です。テイチクのインペリアルレコードレーベルよりリリースされた本作は、単なるアルバムを超え、バンドの歴史、そしてプロデューサー月光恵亮氏との10年間の歩みを凝縮した、記念碑的作品となりました。

月光恵亮氏との最後の協演

1989年のメジャーデビューから、『LINDBERG XI』まで、LINDBERGのプロデュースを担ってきた月光恵亮氏。本作は、彼にとってLINDBERGの最後のプロデュース作品となりました。10年間という歳月をかけて築き上げた、バンドとプロデューサーの深いつながり、そして音楽への情熱が、アルバム全体を包み込むように感じられます。月光氏の緻密なプロデュースと、LINDBERGメンバーの卓越した演奏力が融合し、完成度の高い作品に仕上がっています。

代表曲「風」を含む全11曲

アルバムには、先行シングルとしてリリースされ、大きな話題を呼んだ『風』が収録されています。アサヒ飲料バヤリースのCMソングとして起用されたこの曲は、アルバムの中でも特に高い人気を誇り、LINDBERGの代表曲の一つとなりました。

その他にも、『夕焼け』『バイバイね』『あなたの元へ帰ろう』『ブギウギ Sunshine'98』『太陽のかけら』『Are you my friend?』『moonlight』『Let me go Let me love』『星に願いを』『シャンプー』と、バラエティ豊かな楽曲が収録されています。『太陽のかけら』は、アルバム楽曲でありながらミュージックビデオが制作されるなど、特別な扱いを受けています。また、『星に願いを』は、後にリリースされたライブアルバム『BEST II -FLIGHT RECORDER IV-』や、解散時のライブ会場限定盤『FLIGHT RECORDER -FINAL MEMORIES-』、2009年のアルバム『LINDBERG XX』にも、ライブ音源やリテイクバージョンで収録されるなど、バンドにとって重要な楽曲であることがわかります。

オリコンチャート20位

『LINDBERG XI』は、オリコンチャートにおいて20位を獲得しました。これは、LINDBERGのアルバムとしては決して悪い成績ではありません。彼らの音楽が、多くのリスナーに受け入れられ、支持されていることを示す結果と言えるでしょう。

音楽性と10年の軌跡

全作詞は渡瀬マキ、作曲は小柳昌法、平川達也、川添智久が担当し、編曲はLINDBERGと月光恵亮氏による共同作業です。このクレジットからも、バンドメンバーとプロデューサーの緊密な連携が見て取れます。

『LINDBERG XI』は、単なる楽曲集ではなく、LINDBERGと月光恵亮氏による10年間の音楽活動の集大成であり、新たな出発点と言える作品です。彼らの音楽性、そして彼らが歩んできた道のりが、このアルバムに凝縮されています。

まとめ

『LINDBERG XI』は、LINDBERGの音楽史、そして日本の音楽史において重要な位置を占めるアルバムです。彼らの代表曲『風』を始め、バラエティ豊かな楽曲、そして月光恵亮氏との最後の協演という歴史的意義も相まって、多くのファンに愛され続ける作品となっています。一度聴いてみる価値のある、名盤と言えるでしょう。

もう一度検索