LINDBERG XIV

LINDBERG XIV：実在の人物に捧げる10の物語

2002年1月1日、LINDBERGの14枚目のオリジナルアルバム『LINDBERG XIV』（リンドバーグ・フォーティーン）がクリエイティブ・フューチャー・コンテンツよりリリースされました。

本作は、33枚目のシングル「you were there」との同時発売という、1993年6月18日発売の「会いたくて -Lover Soul-」、「LINDBERG VI」以来となる、シングルとアルバムの同時リリースという戦略的な展開がとられました。インディーズからのリリースという点も、注目すべき点です。

『LINDBERG XIV』最大の特徴は、全10曲の歌詞に渡瀬マキが実在の人物をモデルにしている点です。これまでに自身の経験を基にした物語を歌詞に紡いできた渡瀬マキですが、今作では周囲の人々への取材を基に歌詞が構成されています。当時のインタビューでは、この新しい手法について語られており、その制作過程へのこだわりが伺えます。

また、各楽曲には6桁の数字がサブタイトルとして付け加えられていることも、本作の特徴です。多くの楽曲は英語タイトルとなっており、独特の雰囲気を醸し出しています。楽曲のタイトルとサブタイトルの組み合わせは、聴く者の想像力を掻き立て、より深く楽曲の世界観に没入できるような工夫が凝らされています。

特に注目すべき楽曲として、「our love」があります。この曲は、2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件へのメッセージを含んだ作品であり、社会情勢への鋭い感性と、音楽を通して社会問題に訴えかけるLINDBERGの姿勢が感じられます。

全楽曲の作詞は渡瀬マキ、作曲は小柳昌法（5,6,8曲目）、平川達也（1,3,10曲目）、川添智久（2,4,7,9曲目）が担当し、編曲はLINDBERG全体で手がけています。メンバーそれぞれの個性と高い音楽性が融合した、聴き応えのある作品となっています。

収録曲は以下の通りです。

1. Mother -780218-
2. Wild Life -690810-
3. you were there -690206- (33rdシングル)
4. 16 -840912-
5. our love -690222-
6. Life Time 4pm -600915-
7. loving you -810514-
8. Cap -770103-
9. Miss Understand -660305-
10. Blue Beatle -380520-

『LINDBERG XIV』は、音楽性とメッセージ性の両面において、LINDBERGの新たな一面を示した重要な作品と言えるでしょう。従来のスタイルにとらわれず、新しい表現に挑戦した彼らの姿勢は、多くのリスナーに感動と共感を呼び起こしたに違いありません。実在の人物像を丁寧に描き出した歌詞、そして、時代背景を反映した楽曲群は、聴くたびに新たな発見を与えてくれる、奥深い魅力に溢れています。

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