LINE Financial

LINE Financial株式会社は、LINEヤフー傘下の中間金融持株会社として、国内外で幅広い金融サービスを展開していました。しかし、2023年には紀尾井町1号株式会社に商号変更し、その事業戦略は大きく転換期を迎えています。

海外展開においては、メッセンジャーアプリLINEが普及している国々を中心に、積極的に事業を拡大していました。例えば、タイではLINE Financial Asiaがカシコン銀行と合弁でKASIKORN LINEを設立。台湾では、孫会社のLINE Financial Taiwanが複数の現地企業と共同出資し、LINE Bank Taiwanを設立しました。また、インドネシアでは、LINE Financial Asiaが韓国のハナ金融グループと提携し、同グループの現地子会社を通じてネットバンキングサービスを開始するなど、地域に根ざした金融サービスの提供を目指していました。

しかし、2020年4月には、LINE Financial Asiaの全株式がLINE Financial Plusに移管され、グループ内での組織再編が行われました。さらに、2023年3月には、みずほ銀行と共同出資で設立準備を進めていたLINE銀行の開業を断念するという決断が下されました。これは、金融業界における競争激化や規制環境の変化などが影響したと考えられます。

同年6月には、LINE証券の事業再編も発表されました。証券業務は野村ホールディングス傘下の野村證券に移管され、LINE証券は外国為替証拠金取引（FX）の業務に特化することになりました。これにより、LINE Financialは事実上、証券事業から撤退することとなりました。

かつては、野村ホールディングスと共同出資のLINE証券や、みずほ銀行と共同出資のLINE Creditなどを傘下に収めていましたが、これらの事業はグループ再編により、LINEヤフー子会社のZフィナンシャルに移管されました。現在のLINE Financial（紀尾井町1号株式会社）は、LINE Bank清算会社の持株会社として存続しています。

これらの出来事は、LINE Financialが、より効率的で持続可能な事業構造へと変革を遂げようとしていることを示唆しています。今後の動向が注目されます。

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