LIVE!! ACT TULIP Vol.3 鈴蘭&田園ライブ!!

『LIVE!! ACT TULIP Vol.3 鈴蘭＆田園ライヴ!!』

1978年12月1日にリリースされた『LIVE!! ACT TULIP Vol.3 鈴蘭＆田園ライヴ!!』は、人気バンドチューリップのライブ・アルバムです。このアルバムは、鈴蘭高原での初めてのライブと田園コロシアムでの演奏を収録したもので、バンドのライブバンドとしての実力を十分に示しています。特に注目すべきは、第1期メンバー全員がボーカルを担当した曲を収めた唯一のライブ・アルバムという点です。

アルバムの構成

アルバムは4つのサイドに分かれており、それぞれに多様な楽曲が収められています。サイド1では、「Hello, How are you?」といったオープニングから始まり、財津和夫が選曲したソロ楽曲や新曲が揃っています。「サボテンの花」や「二人だけの夜」のように、独特のメロディを持つ曲が魅力的です。特に「タイピスト」では、上田雅利のボーカルが印象的で、他のメンバーとのコントラストを楽しめるカラフルな内容です。

サイド2では、吉田彰と姫野達也のボーカルが光る楽曲が続きます。「もう一杯のウヰスキー」や「恋のドラキュラ」は、その響きで聴く者を惹きつけます。さらに、財津が歌う「逆回転」といった曲では、彼のシグネチャーとも言える感情豊かな歌唱が堪能できます。

特徴的な楽曲

サイド-3では、ビートルズの名曲「I wanna be your man」や「Ticket to ride」といったカバー曲が収められていますが、原曲とは異なるアレンジが施されており、チューリップならではの味わいを与えています。特に安部のカッティングギターと財津のボーカルが絶妙に絡む「Ticket to ride」は、オリジナルを知るファンにも新鮮に響くことでしょう。

アーティストへのリスペクト

最後のサイド-Dには、全編財津が歌う楽曲が並び、彼の多才さを実感できる内容となっています。「光の輪」や「夢中さ君に」といった曲は、彼のソロスタイルを感じさせつつも、バンドとしての統一感を保っています。アルバムの締めくくりは「Good-bye, so long」と、観客の余韻を引き立てるエンディングSEで、感動的なフィナーレを迎えます。

制作の背景

このアルバムは、観衆が楽しむ様子を捉えた大規模イベントの模様を映し出しており、チューリップのライブバンドとしての地位を確固たるものにしています。また、録音された場所は鈴蘭高原と田園コロシアムであり、これらのロケーションは当時の日本の音楽シーンの一端を感じさせます。アルバムに寄せられた製作関係者のクレジットも豊富で、綿密な制作過程が伺えます。

『LIVE!! ACT TULIP Vol.3』は、チューリップの魅力を余すところなく伝えたライブ・アルバムとして、ファンにとっては必聴の一枚です。バンドの力強い演奏とメンバーのパーソナリティが存分に表現されており、音楽の歴史に名を刻む作品となっています。

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