田園コロシアム

田園コロシアムの概要

田園コロシアムは、東京都大田区田園調布にかつて存在した多目的屋外スタジアムです。この施設は様々なスポーツや音楽イベントに利用され、多くの人々に親しまれていました。歴史を振り返ると、その運営は主に慶応大学野球部による冬季専用球場から始まり、後に田園テニス倶楽部のメインスタジアムとして再オープンしました。

歴史の流れ

1924年に、田園コロシアムは慶応大学野球部専用として利用されていた期間がありましたが、1936年には「田園読売スタンド」としてテニスのメインスタジアムとして生まれ変わりました。この施設ではテニスの試合のみならず、さまざまなイベントが開催され、コンサート、プロレス、ボクシングなどが行われました。その中でも特筆すべきは、スキージャンプイベントの開催で、東急電鉄を利用して雪を運び込むという奇抜な企画が実現したことです。

しかし、施設の老朽化や周辺の住宅地再開発計画、さらには江東区有明コロシアムのオープンにより、1989年にこのスタジアムは閉鎖されました。その跡地にはマンション「ドレッセ田園調布プレゼンス」が建築され、新たな街並みに生まれ変わりました。ただし、かつての名残として「田コロ児童公園」という名前が残されています。

主なイベント・パフォーマンス

田園コロシアムでは、多くの音楽イベントが開催されました。1970年8月にはザ・タイガースが、1971年8月にはPYGがコンサートを行いました。さらに、1977年と1980年にはピンク・レディー、1978年10月にはチューリップ、1979年8月にはオフコースが登場するなど、様々なアーティストがこの地を訪れました。特に1980年にはサザンオールスターズがライブ『ニャー! ニャー! ニャー』を開催し、観客を魅了しました。

また、プロレスにおいても名勝負が数多く繰り広げられました。1977年には全日本プロレスのジャンボ鶴田とミル・マスカラスの一戦、1981年に新日本プロレスのアンドレ・ザ・ジャイアントとスタン・ハンセンの対戦が行われ、どちらもプロレス界の重要な試合として記憶されています。特に鶴田とマスカラスの対決は、プロレス大賞の年間最高試合賞を受賞するなど、その存在感を示しました。

その他の活動

このスタジアムは、音楽やスポーツのイベントだけでなく、様々な活動の舞台ともなりました。1955年には日本体育大学の体育研究実演発表会の開催地として使用され、1981年にはテニスフェドカップ決勝が行われました。また、囲碁の公開対局や、空手試合、キック[[ボクシング]]の試合なども開催され、幅広いジャンルのイベントが盛り込まれていました。

結論

田園コロシアムは、東京の大田区において多岐にわたるイベントを支え続けた重要な施設でしたが、閉鎖によりその歴史は幕を閉じました。それでもその名前は今なお、付近の公園や新たなマンションに見ることができ、過去の記憶を後世に伝えています。

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