LOVE ラブ

アメリカ合衆国で製作されたテレビシリーズ『LOVE ラブ』（原題：LOVE）は、ロマンティック・コメディドラマというジャンルに分類される作品です。『40歳の童貞男』や『無ケーカクの命中男/ノックアップ』などで知られるジャド・アパトーが、レスリー・アーフィン、そして主演の一人でもあるポール・ラストとともに製作総指揮を務めました。

このシリーズは、世界的な動画配信サービスであるNetflixのオリジナル作品として配信されました。最初のシーズンは全10話構成で、2016年2月19日に配信が開始されました。続くシーズン2は全12話となり、2017年3月10日にプレミア上映されました。シーズン2の配信開始に先立って、シーズン3の製作が決定しましたが、2017年12月15日には、シーズン3がシリーズの最終章となることが発表され、全3シーズンをもって完結しています。

あらすじとテーマ

本作は、現代のロサンゼルス、特にハリウッドのエンターテイメント業界を舞台に、恋愛や人間関係における複雑でリアルな葛藤を描いています。物語の中心となるのは、恋愛においては常に問題を抱え、自堕落な生活を送るミッキー・ドブスと、優柔不断でどこか頼りないガス・クルックシャンクという対照的な二人です。

それぞれが過去の恋愛で傷つき、様々な個人的な問題を抱える中で出会った二人が、不器用ながらも関係を築き、深めていく過程が丁寧に描かれます。単なる理想化されたラブストーリーではなく、友情、依存、自己肯定感の欠如、コミュニケーションの難しさ、そして現代社会における恋愛の「きれいごと」ではない側面を、時にユーモラスに、時に痛々しく、生々しく掘り下げている点が本作の大きな特徴です。

主な登場人物とキャスト

物語の核となる主要キャラクターと、それを演じた俳優、日本語吹替キャストは以下の通りです。

ミッキー・ドブス：ギリアン・ジェイコブス（日本語吹替：田村睦心）
自堕落な性格で、恋愛や人間関係に問題を抱えるラジオ局のプロデューサー。
ガス・クルックシャンク：ポール・ラスト（日本語吹山：杉山紀彰）
真面目だがどこか優柔不断な映画の子役指導者。
バーティー・バウアー：クラウディア・オドハティ（日本語吹替：小橋知子）
ミッキーのルームメイトで、ミッキーとは対照的な明るい性格。
クリス・チャイコフスキー：クリス・ウィタスキ（日本語吹替：八代拓）
ガスの友人でルームメイト。元バスケットボール選手。
* ランディ・モナハン：マイク・ミッチェル（日本語吹替：小林達也）
クリスの友人。変わり者だが憎めない人物。

この他にも、ガスやミッキーの家族、職場の人々、友人など、多くのリカーリングキャストが登場し、二人の関係や物語に多様な側面をもたらしています。例えば、ガスの同僚にはアイリス・アパトー演じるアーリア・ホプキンス（日本語吹替：朝井彩加）などがいます。また、アンディ・ディックなど、実在の人物が本人役でカメオ出演する場面も見られます。

日本語吹替版の制作は東北新社が担当し、演出を前田茜、翻訳を大岩剛が手掛けました。

評価

『LOVE ラブ』は、テレビ批評家から概ね好評をもって迎えられました。特に主演キャストであるギリアン・ジェイコブスとポール・ラストの演技は多くの称賛を集め、作品の魅力の重要な要素と見なされました。

批評集積サイトRotten Tomatoesでは、シーズン1が40件のレビューに基づいて88%という高い支持率を獲得し、平均評価は10点満点中7.2点を記録しました。同サイトの批評家による総評では、「ジャド・アパトーが手掛ける『LOVE ラブ』は、魅力的な二人の主演俳優によって支えられ、人間関係が構築されていく過程を誠実に描いている」と特に肯定的に評されています。

別の批評集積サイトMetacriticにおいても、27人の批評家による評価の平均は100点満点中72点となり、「概ね好評」という評価が与えられています。これらの評価は、本作が単なる軽快なラブコメディに留まらず、現代の複雑な人間関係や恋愛における内面的な葛藤を深く掘り下げた点が、批評家からも高く評価されたことを示しています。

まとめ

『LOVE ラブ』は、現代社会における恋愛の難しさや人間の不完全さをリアルに描き出した作品として、多くの視聴者に共感と示唆を与えました。完璧ではない主人公たちが、失敗を繰り返しながらも互いを理解し、関係性を築いていく姿は、時に歯がゆくも、人間味にあふれています。

全3シーズンで完結しており、二人の関係性の変遷を最初から最後まで追うことができます。リアルな人間ドラマや、現代的な恋愛観を描いた作品に関心のある視聴者にとって、見応えのあるシリーズと言えるでしょう。

もう一度検索