LS-Aロケット

LS-Aロケットとその発展型LS-Bロケットの概要

LS-Aロケットは日本の科学技術庁の研究機関によって開発された2段式ロケットであり、その用途は主に技術試験にあります。このロケットの開発は1961年に開始され、高度100kmに到達することを目指しました。当時、日本では既にカッパロケットが運用されていたため、液体燃料ロケットの導入は過剰な選択肢との意見もありました。しかし、将来的な人工衛星の打ち上げを見越して液体ロケットエンジンの研究を進めることが重要であるとの判断から、LS-Aロケットの開発が承認されました。

開発背景と射場の選定

LS-Aロケットの開発には、防衛庁の新島試験場が射場として使用されました。当初、防衛庁の施設を利用することに対しては強い反対意見も見られましたが、「国民の税金によって設立された施設を利用するのは当然である」との意見が広がり、最終的には新島試験場での試験が決定しました。このロケット名の「LS」は、第2段が液体（Liquid）ロケット、第1段が固体（Solid）ロケットであることを示しています。

構成と仕様

LS-Aロケットは、第1段に固体ロケットを、第2段には酸化剤として硝酸、燃料にケロシンを利用した液体ロケットを搭載する2段式の構造を持っています。このロケットの第1段は東京大学生産技術研究所が開発した固体燃料ロケットであるプリンス自動車が担当し、第2段は三菱造船が製造を担当しました。初めは東京大学で既に開発されていたロケットモータを用いる計画でしたが、交渉が難航したために、1機目の飛翔実験に間に合わせるため上段のみを使用することになりました。

飛翔実績とLS-Bロケット

続いて、LS-Bロケットが1962年に開発が始まりました。LS-Aロケットの機体を大型化することを目的とし、第2段液体燃料ロケットの試作が行われました。1964年にはエンジンの組み合わせ燃焼試験が行われ、この地上試験をもってLS-Bロケットの開発が終了しました。LS-Bロケットで得られた技術は、後にLS-Cロケットの2段目に流用されたと考えられています。

主要諸元

• - 全長: 7.6m
• - 直径: 520 mm
• - 全備質量: 1,434 kg
• - 平均推力: 3.5tf
• - 燃焼時間: 50 s

関連項目

• - 科学技術庁宇宙開発推進本部
• - LS-Cロケット
• - 宇宙開発事業団（NASDA）
• - ETVロケット
• - N-Iロケット

以上のように、LS-Aロケットは日本の宇宙開発において重要な役割を果たしました。その技術的進展は後続のロケット開発にも寄与し、多くの成果を挙げています。

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