LW (レーダー)

LWシリーズ：オランダ製Lバンド2次元レーダー

LWシリーズは、オランダのシグナール社（現在のタレス・ネーデルラント社）によって開発された2次元レーダーのシリーズで、その主な目的は長距離の対空警戒にあります。この名称の「L」はオランダ語の「Lucht」（空）を示しており、「W」は「wacht」（警戒）に由来しています。

概要

LWシリーズの第1世代には、巡洋艦用のLW-01と駆逐艦用のLW-02の2つが含まれています。LW-01はメーカーの公式名称ではSGR-114/06と呼ばれ、全長11メートル、幅4.88メートルという大きなアンテナを持っています。この巨大なアンテナのおかげで、LW-01は幅1度という非常に鋭いビームを発生させることができ、遠方の航空機を高精度で探知することが可能となっています。

一方、LW-02はSGR-114/12として知られており、こちらのアンテナは7.8メートル×4.25メートルに小型化されています。LW-02のビーム幅は2.2度で、LW-01に比べるとやや広めですが、依然として効果的な探知能力を持っています。また、LW-02を基にしてアンテナの回転速度が変更されたLW-03という派生型も開発されました。さらに、カナダにおいては、LW-03のアンテナとAN/SPS-12の送信機が組み合わさったSPS-501が開発されています。

LW-04とその後

LW-02/03の後継としてLW-04が登場しました。このモデルでは楕円形のアンテナが採用されており、デジタル式の移動目標表示（MTI）技術が新たに取り入れられています。LW-04は、レーダー断面積2m²の目標を最大222km（高度16,764メートル）で探知する能力を持っています。そして、LWシリーズのさらなる進化がLW-05、LW-06、LW-07に続きますが、LW-05は未発表であり、LW-06とLW-07は地上用として研究されています。

第3世代LW-08

シリーズの第3世代機としてLW-08が発表されました。LW-08では、LW-07と同様のパルス圧縮技術が導入されています。これにより、35.69マイクロ秒のパルスが、短距離分解能を重視し、長いチャープを伴う1マイクロ秒のパルスに圧縮される仕組みです。ピーク出力は150キロワットと比較的低いものの、平均出力は5.1キロワットと高めで、通常のレーダーにおいてはまるでピーク出力5.1メガワットに相当する数値になります。 LW-08は、レーダー断面積2m²の対象を269km（高度25,900メートル）で、最低探知距離は2kmで測定することができます。また、探知可能な目標の最高速度はマッハ5に達しています。

採用国

LWシリーズは、カナダ海軍においてSPQ-502として制式化されたほか、民生用の航空交通管制レーダーとしてはLAR-2として知られています。インドではバーラト・エレクトロニクスによってRAWL-02としてライセンス生産され、インド海軍の艦船にも広く採用されています。また、イギリスの1022型レーダーは本シリーズの送信機と、マルコーニ社製のアンテナを組み合わせた形で実現されています。

関連情報

ウィキメディア・コモンズには、LW (レーダー)および1022型レーダーに関するカテゴリが存在します。同様の性能を持つ機種には、アメリカ製のAN/SPS-49、日本製のOPS-14、イタリア製のRAN-3Lなどがあります。これらの情報を基に、LWシリーズの魅力とその技術的進化を理解することができるでしょう。

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