LXDEとは？意味をやさしく解説 - サードペディア百科事典

LXDE (Lightweight X11 Desktop Environment) とは

LXDEは、UNIX、Linux、BSDなどのPOSIXプラットフォームで動作する、オープンソースのデスクトップ環境です。GPLライセンスの下で配布されており、特に処理能力の低いパソコンでも快適に動作するように設計されています。省エネルギーでありながら高速な動作が特徴で、ミニノートやサブノートPCなどに適しています。

LXDEの概要

LXDEはC[[言語]]で記述されており、GTKツールキットを利用しています。Ubuntu、Debian、Fedora、openSUSEなど多くのLinuxディストリビューションやFreeBSDで利用可能です。また、KNOPPIXのようにLXDEを標準で採用しているディストリビューションも存在します。かつてはLubuntuもLXDEを採用していましたが、現在は後継のLXQtを標準デスクトップ環境としています。

LXQtへの移行

2013年、LXDEの開発者である洪任諭氏がGTK+3への不満から、Qtへの移植を発表しました。その後、Razor-qtとのマージを経て、GTK+のサポートは廃止され、Qtを中心に開発が進められることになりました。2014年にはLXQtバージョン0.7.0がリリースされています。

LXQtは、LXDE-QtとRazor-qtの成果を統合したデスクトップ環境であり、LXDEの後継バージョンという位置づけです。しかし、技術的な観点からは、LXQtはLXDEの単純な後継やQt移行版とは言い切れない側面もあります。これは、LXDE/LXDE-Qt由来のパッケージがあまり採用されなかったためです。

LXQtのコンポーネント

LXQtは、以下のコンポーネントで構成されています。

LXDE, LXDE-Qt由来
`pcmanfm-qt`: ファイルマネージャ兼デスクトップアイコンマネージャ
`menu-cache`
`lxmenu-data`
`lximage-qt`: 画像ビューワー (スクリーンショットツール兼用)
Razor-qt由来
`lxqt-common`: デフォルト設定ファイル
`lxqt-session`: セッションマネージャ
`lxqt-panel`: パネル
`lxqt-openssh-askpass`: opensshダイアログ
`lxqt-runner`: アプリケーションランチャ
`lxqt-notificationd`: 通知デーモン
`lxqt-config`: 設定ツール
`lxqt-globalkeys`: グローバルショートカット設定ツール
`lxqt-policykit`: polkitエージェント
`lxqt-qtplugin`
`lxqt-about`
`lxqt-lightdm-greeter`: LightDM用Qt5グリーター
`libsysstat`: システムステータス取得ライブラリ
`liblxqt`: コアユーティリティライブラリ
`liblxqt-mount`: ボリュームマウントライブラリ
`libqtxdg`: menuファイルなどFreedesktop.orgスペック実装ライブラリ
統合後に新規開発/フォーク
`lxqt-powermanagement`: 電源マネージャ
`compton-conf`: コンポジタ設定ツール
`obconf-qt`: Openbox設定ツール
`qt-gtk-engine`: GTKアプリケーション用テーマエンジン
`lxqt-admin`: ユーザー情報設定ツール

LXQtは、デスクトップ環境に必要なコンポーネントをほぼ自前で提供していますが、LXDEにあった独自のユーティリティソフト（音楽プレーヤーやターミナルエミュレータなど）は、優れたQt ソフトウェアが存在するため、特に独自開発は行わない方針です。

LXQtリリース後のLXDE

LXQtのリリース後、LXDEの開発は終息するとされていましたが、実際にはアンドリィ・フリツェンコ氏やMartin Bagge氏らを中心に開発が継続されています。lxtaskのアップデートやlxsessionのValaによる書き換えなど、大規模な改修も行われています。さらに、アンドリィ・フリツェンコ氏は、LXDE 1.0のリリースを表明しており、これはLXQtがLXDEの後継という従来の立場とは異なる開発方針を示しています。

LXDEのコンポーネント

LXDEは、以下のパッケージで構成されています。ライブラリや必須ではないユーティリティを含めても18個と、非常に軽量なデスクトップ環境です。

`GPicView`: 画像ビューア
`PCMan File Manager`: ファイルマネージャ
`LibFM`: ファイルマネージャ用バックエンドライブラリ
`LXAppearance`: テーマ管理
`LXAppearance Obconf`: LXAppearance用Openbox設定プラグイン
`LXDE Icon Theme`: アイコンテーマ
`LXDM`: ディスプレイマネージャ
`lxde-common`: デフォルト設定ファイル
`LXInput`: キーボード・マウス設定ツール
`LXLauncher`: アプリケーションランチャー
`lxmenu-data`: アプリケーションメニューデータ
`LXMusic`: XMMS2用GTK2フロントエンド
`LXPanel`: パネル
`LXRandR`: xrandr用GTK2フロントエンド
`LXSession`: セッションマネージャ
`LXTerminal`: ターミナルエミュレータ
`LXTask`: タスクマネージャ
`menu-cache` (libmenu-cache): メニューファイルジェネレータ

LXDEは、ウィンドウマネージャ、電源マネージャ、ネットワークマネージャ、通知デーモンなどの機能を独自には提供していません。そのため、これらの機能は他のソフトウェアで補完する必要があります。ウィンドウマネージャとしてはOpenboxが事実上のデフォルトとなっていますが、それ以外のソフトウェアはディストリビューションによって異なります。

対応アーキテクチャ

LXDE/LXQtは、インテルやMIPSなど、多くのプロセッサアーキテクチャに対応しています。

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