Lime rain

Lime rain（ライム・レイン）は、日本のヴィジュアル系ロックバンド、La'cryma Christi（ラクリマ・クリスティー）が2000年1月19日にリリースした通算9枚目にあたるシングル作品である。バンドのキャリアにおいて、本作は初めてマキシシングルという形態で発表された意欲作として位置づけられる。

表題曲の「Lime rain」は、作詞をボーカルのTAKA、作曲をギターのKOJIが担当したナンバーであり、カップリングにはTAKA作詞、ギターのHIRO作曲による楽曲「ファシズム」が収められている。これらの楽曲に加え、それぞれインストゥルメンタルバージョン（unvocal version）も収録されており、全4トラック構成となっている。

メディアとの連携として、「Lime rain」は日本テレビ系列で当時放映されていた人気バラエティ番組「ぐるぐるナインティナイン」のエンディングテーマとして起用された。

本作には、そのアートワークやプロモーションビデオにおいて、複数の視覚的な特徴が見られる。特にプロモーションビデオでは、楽曲の世界観を表現するイメージカットに子役が登場するほか、メンバー全員が体の一部に包帯を巻いた姿で出演しており、退廃的あるいは神秘的な雰囲気を醸し出している。また、シングルジャケットには一体の人形が象徴的に配置されており、これはドラマーのLEVINによって「ライムちゃん」と名付けられた。この人形はブードゥー人形をモチーフとしており、歌詞のテーマでもある「呪い」というモチーフが、楽曲とジャケットの両面で表現されていることが示唆される。さらに興味深い制作エピソードとして、人形の心臓部分に見える、血液を連想させるような赤い箇所は、実はチョコレートで作られていたという話が伝わっている。

音楽番組でのエピソードとしては、NHKの番組「POP JAM」で「Lime rain」を披露した際、放送上の制約に配慮するためか、歌詞の一部が変更されて歌われたという出来事があった。

商業的な側面を見ると、本作はバンドにとって厳しい結果となった。オリコン週間シングルチャートにおいてはトップ10入りを逃しており、これは1997年にリリースされた「南国」以来、実に6作品ぶりのトップ10圏外という結果であった。売り上げに関しても、前作のシングルと比較して半分以下にとどまるなど、セールス面では振るわない結果となり、当時のバンドの商業的な状況を示す一作となった。

「Lime rain」および「ファシズム」は、後に発表されたオリジナルアルバム『magic theatre』に収録されている。また、表題曲「Lime rain」はベストアルバム『Sound & Vision THE SINGLES + Selection from Live “DECADE”』にもセレクトされた。その他、シングル収録曲の多くがベスト盤『La'cryma Christi Singles + Clips』にも収録されており、後年のリスナーもこれらのアルバムを通じて本楽曲群に触れることができる。

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