日本のロックシーンで異彩を放つ
ドラマー、LEVIN(レビン)は、
大阪府豊中市出身。
1990年代に一世を風靡したロックバンド、
La'cryma Christiのメンバーとして広く知られる存在です。小柄な体格ながら、パワフルかつテクニカルなドラミングで多くのファンを魅了してきました。身長は153cmと公表されています。
彼の音楽キャリアは
1992年、バンドSTRIPPE-D-LADYへの加入から始まります。その後、
1994年にはバンド名を
La'cryma Christiへと改称。着実に実力をつけ、1997年
5月8日にはシングル「
Ivory trees」で
ポリドール・レコードよりメジャーデビューを果たしました。彼らの生み出す独自のサウンドは多くの支持を集めましたが、音楽性や活動方針の違いから、残念ながら
La'cryma Christiは
2007年1月20日に解散を迎えます。
バンド解散後も、LEVINの
ドラマーとしての活動は途絶えることなく続きました。
2007年8月にはキリト(Angelo, ex-Pierrot)のソロライブをサポート。同年11月には新たなバンド、THE HUSKYを結成し活動を開始しますが、ヴォーカル脱退に伴い2011年に活動休止となります。しかし、彼は多くのアーティストからの信頼を得て、サポート
ドラマーとしての道を確立していきます。
彼のサポート参加リストは非常に多岐にわたり、その対応力の高さを示しています。主なものだけでも、
ALvino、
ベッキー、
PENICILLINの
HAKUEIと
千聖によるユニットnano、ピコ、
彩冷えるインテツ、Eins:Vier、葵-168-one sixty eight-、石月努、
ライチ☆光クラブ、
喜多村英梨、LUKE篁(CANTA, 聖飢魔Ⅱ)、
デーモン閣下、luz、ベーシストMASAKI、wyse、
ももいろクローバーZ、櫻井有紀などが挙げられます。また、
西川貴教主演のミュージカル「ROCK OF AGES」に
ドラマーとして参加するなど、活躍の場はバンドの枠を超えています。特に、
FANATIC◇CRISISやEins:Vier、SHAZNAといった同世代の
ヴィジュアル系バンドの再結成ライブでサポートを務めることも多く、シーンにおける彼の存在感の大きさを物語っています。
もちろん、
La'cryma Christiとしての活動も完全に途絶えたわけではありません。
2009年にはV-ROCKフェスティバルで KOJIを含むオリジナルメンバー5人による「一夜限り」の再結成が実現し、翌
2010年にはツアーも開催。その後も
2012年、
2013年と記念ライブツアーが行われ、ファンを喜ばせました。
LEVINの人物像に迫ると、興味深いエピソードが多数見られます。中学生の頃、兄の影響でハードロックに傾倒し、
モトリー・クルーや
オジー・オズボーンなどのサウンドに触れたことが、後のドラムへの道を拓きました。ドラムを始めたきっかけは、周囲から「可愛い」と言われることへの反発から、「一番男らしい」楽器を選んだというユニークな理由でした。しかし、ドラムを始めてからも「可愛い」と言われ続けたそうです。彼のプレイスタイルは視覚的にも特徴的で、華麗なスティック回しや投げ技を得意とし、まるで踊るかのようにドラムを叩く独特のパフォーマンスはライブの見どころの一つです。愛用の
ドラムセットはパール製で、黄色やカーキとブラックのツートンカラーに赤いラインが入ったものなど、見た目にもこだわった独特なセッティングを使用します。
音楽以外の趣味としては、SF作品「
スタートレック」や
ラーメン、ダックスフントを愛好しています。かつては愛犬のダックスフント「データ」と共に暮らしていました。愛車はミニで、バイクも好きで様々なタイプに乗るそうです。お笑いにも造詣が深く、特にサンドウィッチマンのファンであることを公言しています。また、
La'cryma Christiの元メンバーであるギタリストのKOJIは高校の同級生であり、彼らの長年の交流はファンの間でもよく知られています。高校時代にはMARINOの
ドラマー、板倉"JUN"淳に師事するなど、本格的な指導も受けています。
自身の活動拠点として、都内にプライベートスタジオ「lab.L(ラボエル)」を所有しており、レコーディング作業だけでなくファンイベントなども開催しています。また、東日本大震災の復興支援プロジェクトであるSTUND UP JAPANのチャリティーオークションに愛用のスネアを出品し、高額で落札されるなど、社会貢献活動にも参加しています。2006年11月から毎日欠かさずブログを更新し続けていることも、彼のストイックで真面目な一面を表しています。近年は自身のYouTubeチャンネル「LEVI CHANNEL」を開設し、LOR名義でオリジナル楽曲を発表するなど、新たな表現活動にも意欲を見せています。
長年にわたり日本のロックシーンで活躍し続け、多くのミュージシャンから厚い信頼を寄せられているLEVIN。そのテクニックと人柄で、これからも様々な音楽活動を展開していくことでしょう。