LiveJournal
LiveJournal（LJと略記）は、ユーザーがブログ、記事、日記を投稿・共有できるオンラインコミュニティプラットフォームです。個人ブログとしての機能に加え、ユーザー間の交流を促進するソーシャルネットワーキングの側面も持ち合わせています。また、LiveJournalは、このプラットフォームを運営するための自由かつオープンソースのサーバーソフトウェアの名称でもあります。
歴史
LiveJournalは、1999年4月15日にBrad Fitzpatrickによって、自身の近況を友人たちに知らせる手段として立ち上げられました。2005年1月には、Fitzpatrickが設立したDanga Interactive社が、ブログソフトウェア企業のシックス・アパート社に買収されました。その後、2007年12月2日に、シックス・アパート社はLiveJournalをロシアのメディア企業SUPに売却しました。SUPは以前からロシアでのLiveJournalブランドとソフトウェアの権利を所有しており、新たなオーナーとしてサービス更新計画や広告商品の導入を発表しました。実際の運営は、新たに設立されたアメリカ拠点のLiveJournal, Inc. が行っています。
2009年1月には、LiveJournalはサンフランシスコの従業員を一部解雇し、製品開発拠点をロシアに移転しました。同年4月22日には、当時のロシア大統領ドミートリー・メドヴェージェフがLiveJournal内に自身のブログを開設し、話題となりました。
機能と特徴
LiveJournalの各記事エントリには専用のウェブページがあり、他のユーザーがコメントを残すことができます。また、各ユーザーは自身の最新記事を表示するページや、コメントページへのリンクも持っています。
LiveJournal固有の機能として「友達リスト」があります。これにより、単なるブログサービスではなく、ソーシャルネットワークとしての側面が強調されます。友達リストを通じて、さまざまな情報配信やプライバシー設定が可能です。ユーザーは「友達ページ」で、友達リストに登録したユーザーの最新記事を一覧できます。
ユーザーは、S2プログラミング言語を使用して記事テンプレートをカスタマイズしたり、アバター画像（userpics）をアップロードしたりできます。有料サービスを利用すると、S2管理へのアクセス権限や追加のuserpicsなどの機能が利用できます。
各ユーザーには、連絡先、経歴、画像リンク、友達リスト、趣味、参加コミュニティ、出身校などの情報を掲載できる「User Info」ページがあります。有料ユーザーや後援ユーザーは、「voice posts」機能で音声エントリを投稿できます。
LiveJournalには、現在5段階のアカウントレベルがあります。
Basic（ベーシック）: ほとんどのユーザーが利用するレベル。広告が表示されます。
Early Adopter（先行）: 2000年9月中旬以前にアカウント登録したユーザー。
Plus（プラス）: 無料で有料アカウントと同等の機能を利用できますが、広告が表示されます。
Paid（有料）: 有料アカウント。
Permanent（永久）: LiveJournalの貢献者に与えられるアカウント。
ソーシャルネットワーキング
LiveJournalでは、ユーザー間の関係は主に4つの状態に分類されます。互いに友達リストに登録している状態、片方のみが登録している状態、全く関係がない状態です。LiveJournalでは、誰かを友達リストに登録することを「friend」と表現します。
「friend」という言葉は専門用語として使われていますが、一般的な「友達」という意味と混同されるため、LiveJournalコミュニティ内で議論されることもあります。
友達リストには、個人ユーザーだけでなく、コミュニティやRSSフィードも登録できます。「friending」によって、友達ユーザーの保護されたエントリを読めるようになり、そのエントリはユーザーの「友達ページ」に表示されます。友達のグループを作成することもでき、より複雑な機能を利用できます。
プライバシー
LiveJournalでは、記事が検索エンジンにインデックスされる可能性を低減させるオプションがあります。しかし、完全に回避するには、エントリのセキュリティを「friends only」以上に設定する必要があります。エントリのセキュリティレベルは後から変更できますが、変更前に検索エンジンがインデックスする場合もあります。
「friends only」設定では、友達リストのユーザーのみが投稿を閲覧できます。また、友達リスト内でさらに限定したグループを作成し、特定のグループのみに投稿を公開することも可能です。
さらに、「private」設定を使うと、投稿者のみが閲覧できるプライベートな日記として利用できます。
コメントも、投稿を閲覧できるユーザーに制限したり、検閲したりできます。検閲する場合は、投稿者が承認したコメントのみを公開できます。コメントしたユーザーのIPアドレスを記録することも可能です。
ユーザーは「friends of」リスト（自分を友達リストに登録しているユーザーのリスト）を非公開にするオプションもあります。有料アカウントでは、過去のエントリのプライバシー設定を一括で変更できます。
コミュニティ
LiveJournalでは、ユーザーは互いの記事にコメントし、掲示板のようにスレッドを形成できます。コメントにはさまざまなオプションを設定でき、友達リストのユーザーのみ許可したり、匿名ユーザーをブロックしたり、コメントを表示前に検閲したりできます。登録メールアドレスにメッセージを送信することも可能です。
また、LiveJournalには「コミュニティ」と呼ばれるグループを作成できます。コミュニティには誰でも参加して投稿でき、管理者がいるコミュニティでは、参加者や投稿を管理できます。
LiveJournalの一部の機能は、ユーザーの貢献やボランティアによって支えられています。多言語への翻訳もボランティアによって行われていますが、管理側の協力不足からあまり進んでいない現状があります。
以前はボランティアがソフトウェア開発にも積極的に関わっていましたが、現在は企業側の主導で開発が進められています。
統計
2009年3月20日時点で、LiveJournalには19,128,882のアカウントがあります。年齢層は17歳から25歳が多く、性別を公開しているユーザーの3分の2は女性です。英語圏のユーザーが多く、アメリカとロシアに利用者が集中しています。
著名なユーザー
LiveJournalは、多くのミュージシャン、プロレスラー、作家、その他の著名人に利用されています。
Oh No They Didn't! (ONTD)
Oh No They Didn't!はLiveJournalで最も人気のあるコミュニティで、有名人のゴシップを中心に扱っています。
Frank the Goat
Frank the GoatはLiveJournalのマスコットで、コミュニティ内では実在する生き物のように扱われています。漫画家によってコミック化もされています。
論争と批判
招待システム: 2001年から2003年まで、ユーザー増加を抑制するために招待制が導入されました。招待制は、サイト上の不正行為を減らす効果もありましたが、後に廃止されました。
「friend」という言葉: 「friend」という言葉の意味が曖昧で、混乱や誤解を生むことがあります。
不法行為予防チーム: 著作権侵害や嫌がらせ行為などに対応するチームですが、一部の方針が議論を呼びました。
広告: 2006年に広告付きの無料アカウントが導入され、ユーザー間で論争が発生しました。また、マルウェアを配布する広告が掲載されたこともあります。
アカウント停止: 一部のアカウントが不当に停止されたという批判がありました。ファンフィクション作家が、児童ポルノと誤解されるような表現が原因で停止された事例もありました。
その他
脆弱性への対処: 2005年には、ハッカーグループによるアカウント乗っ取りの危険性があり、緊急でアカウント保持方法が変更されました。
諮問委員会: SUPは、運営に関する意思決定を支援するための諮問委員会を設立しました。
買収: LiveJournalは、Danga Interactiveからシックス・アパート、そしてSUPへと買収されました。
国際的展開: SUP買収後、シンガポールやイギリス、インドでのLiveJournalの成長が見込まれています。
* LiveJournalエンジン: LiveJournalのソフトウェアを使って、他のコミュニティサイトも立ち上げられています。
LiveJournalは、個人ブログ、ソーシャルネットワーク、コミュニティなど、さまざまな顔を持つオンラインプラットフォームとして、多くのユーザーに利用されています。しかし、その歴史の中でさまざまな論争や批判も経験してきました。今後も変化を続けながら、ユーザーに愛されるプラットフォームであり続けるでしょう。
歴史
LiveJournalは、1999年4月15日にBrad Fitzpatrickによって、自身の近況を友人たちに知らせる手段として立ち上げられました。2005年1月には、Fitzpatrickが設立したDanga Interactive社が、ブログソフトウェア企業のシックス・アパート社に買収されました。その後、2007年12月2日に、シックス・アパート社はLiveJournalをロシアのメディア企業SUPに売却しました。SUPは以前からロシアでのLiveJournalブランドとソフトウェアの権利を所有しており、新たなオーナーとしてサービス更新計画や広告商品の導入を発表しました。実際の運営は、新たに設立されたアメリカ拠点のLiveJournal, Inc. が行っています。
2009年1月には、LiveJournalはサンフランシスコの従業員を一部解雇し、製品開発拠点をロシアに移転しました。同年4月22日には、当時のロシア大統領ドミートリー・メドヴェージェフがLiveJournal内に自身のブログを開設し、話題となりました。
機能と特徴
LiveJournalの各記事エントリには専用のウェブページがあり、他のユーザーがコメントを残すことができます。また、各ユーザーは自身の最新記事を表示するページや、コメントページへのリンクも持っています。
LiveJournal固有の機能として「友達リスト」があります。これにより、単なるブログサービスではなく、ソーシャルネットワークとしての側面が強調されます。友達リストを通じて、さまざまな情報配信やプライバシー設定が可能です。ユーザーは「友達ページ」で、友達リストに登録したユーザーの最新記事を一覧できます。
ユーザーは、S2プログラミング言語を使用して記事テンプレートをカスタマイズしたり、アバター画像（userpics）をアップロードしたりできます。有料サービスを利用すると、S2管理へのアクセス権限や追加のuserpicsなどの機能が利用できます。
各ユーザーには、連絡先、経歴、画像リンク、友達リスト、趣味、参加コミュニティ、出身校などの情報を掲載できる「User Info」ページがあります。有料ユーザーや後援ユーザーは、「voice posts」機能で音声エントリを投稿できます。
LiveJournalには、現在5段階のアカウントレベルがあります。
Basic（ベーシック）: ほとんどのユーザーが利用するレベル。広告が表示されます。
Early Adopter（先行）: 2000年9月中旬以前にアカウント登録したユーザー。
Plus（プラス）: 無料で有料アカウントと同等の機能を利用できますが、広告が表示されます。
Paid（有料）: 有料アカウント。
Permanent（永久）: LiveJournalの貢献者に与えられるアカウント。
ソーシャルネットワーキング
LiveJournalでは、ユーザー間の関係は主に4つの状態に分類されます。互いに友達リストに登録している状態、片方のみが登録している状態、全く関係がない状態です。LiveJournalでは、誰かを友達リストに登録することを「friend」と表現します。
「friend」という言葉は専門用語として使われていますが、一般的な「友達」という意味と混同されるため、LiveJournalコミュニティ内で議論されることもあります。
友達リストには、個人ユーザーだけでなく、コミュニティやRSSフィードも登録できます。「friending」によって、友達ユーザーの保護されたエントリを読めるようになり、そのエントリはユーザーの「友達ページ」に表示されます。友達のグループを作成することもでき、より複雑な機能を利用できます。
プライバシー
LiveJournalでは、記事が検索エンジンにインデックスされる可能性を低減させるオプションがあります。しかし、完全に回避するには、エントリのセキュリティを「friends only」以上に設定する必要があります。エントリのセキュリティレベルは後から変更できますが、変更前に検索エンジンがインデックスする場合もあります。
「friends only」設定では、友達リストのユーザーのみが投稿を閲覧できます。また、友達リスト内でさらに限定したグループを作成し、特定のグループのみに投稿を公開することも可能です。
さらに、「private」設定を使うと、投稿者のみが閲覧できるプライベートな日記として利用できます。
コメントも、投稿を閲覧できるユーザーに制限したり、検閲したりできます。検閲する場合は、投稿者が承認したコメントのみを公開できます。コメントしたユーザーのIPアドレスを記録することも可能です。
ユーザーは「friends of」リスト（自分を友達リストに登録しているユーザーのリスト）を非公開にするオプションもあります。有料アカウントでは、過去のエントリのプライバシー設定を一括で変更できます。
コミュニティ
LiveJournalでは、ユーザーは互いの記事にコメントし、掲示板のようにスレッドを形成できます。コメントにはさまざまなオプションを設定でき、友達リストのユーザーのみ許可したり、匿名ユーザーをブロックしたり、コメントを表示前に検閲したりできます。登録メールアドレスにメッセージを送信することも可能です。
また、LiveJournalには「コミュニティ」と呼ばれるグループを作成できます。コミュニティには誰でも参加して投稿でき、管理者がいるコミュニティでは、参加者や投稿を管理できます。
LiveJournalの一部の機能は、ユーザーの貢献やボランティアによって支えられています。多言語への翻訳もボランティアによって行われていますが、管理側の協力不足からあまり進んでいない現状があります。
以前はボランティアがソフトウェア開発にも積極的に関わっていましたが、現在は企業側の主導で開発が進められています。
統計
2009年3月20日時点で、LiveJournalには19,128,882のアカウントがあります。年齢層は17歳から25歳が多く、性別を公開しているユーザーの3分の2は女性です。英語圏のユーザーが多く、アメリカとロシアに利用者が集中しています。
著名なユーザー
LiveJournalは、多くのミュージシャン、プロレスラー、作家、その他の著名人に利用されています。
Oh No They Didn't! (ONTD)
Oh No They Didn't!はLiveJournalで最も人気のあるコミュニティで、有名人のゴシップを中心に扱っています。
Frank the Goat
Frank the GoatはLiveJournalのマスコットで、コミュニティ内では実在する生き物のように扱われています。漫画家によってコミック化もされています。
論争と批判
招待システム: 2001年から2003年まで、ユーザー増加を抑制するために招待制が導入されました。招待制は、サイト上の不正行為を減らす効果もありましたが、後に廃止されました。
「friend」という言葉: 「friend」という言葉の意味が曖昧で、混乱や誤解を生むことがあります。
不法行為予防チーム: 著作権侵害や嫌がらせ行為などに対応するチームですが、一部の方針が議論を呼びました。
広告: 2006年に広告付きの無料アカウントが導入され、ユーザー間で論争が発生しました。また、マルウェアを配布する広告が掲載されたこともあります。
アカウント停止: 一部のアカウントが不当に停止されたという批判がありました。ファンフィクション作家が、児童ポルノと誤解されるような表現が原因で停止された事例もありました。
その他
脆弱性への対処: 2005年には、ハッカーグループによるアカウント乗っ取りの危険性があり、緊急でアカウント保持方法が変更されました。
諮問委員会: SUPは、運営に関する意思決定を支援するための諮問委員会を設立しました。
買収: LiveJournalは、Danga Interactiveからシックス・アパート、そしてSUPへと買収されました。
国際的展開: SUP買収後、シンガポールやイギリス、インドでのLiveJournalの成長が見込まれています。
* LiveJournalエンジン: LiveJournalのソフトウェアを使って、他のコミュニティサイトも立ち上げられています。
LiveJournalは、個人ブログ、ソーシャルネットワーク、コミュニティなど、さまざまな顔を持つオンラインプラットフォームとして、多くのユーザーに利用されています。しかし、その歴史の中でさまざまな論争や批判も経験してきました。今後も変化を続けながら、ユーザーに愛されるプラットフォームであり続けるでしょう。
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