Local Shared Object

Local Shared Object（LSO）とは

Local Shared Object（ローカル・シェアード・オブジェクト、LSO）は、Adobe Flash Playerがユーザーのコンピュータ内に保存するデータ形式です。HTTP cookieと同様の目的で使用されるため、「Flashクッキー」とも呼ばれます。ブラウザのクッキーと同様に、ウェブサイトごとの情報を保持する機能を持っています。

Macromedia Flash MX（Flash Player 6）以降のバージョンで実装されており、Flashコンテンツを閲覧する際に自動的に利用されることがあります。

LSOの仕組み

LSOは、Flashコンテンツが実行される際に、ウェブサイトやドメインごとに自動的に生成・保存されます。このデータは、ウェブサイトの設定情報やユーザーの操作履歴などを記録するために使用されます。クッキーと同様に、ウェブサイトがユーザーを識別したり、ユーザーの好みに合わせたコンテンツを表示するために利用されることがあります。

セキュリティの問題

LSOはサンドボックスのセキュリティモデルに基づいて作成されていますが、いくつかのセキュリティ上の問題も指摘されています。Cookieと同様に、個人を特定できる情報やプライバシーに関わるデータを保存する可能性があるためです。

さらに、LSOはテキスト形式で保存されるため、内容が可読性が高いという特徴があります。このため、悪意のある第三者によって情報が盗み見られるリスクも存在します。また、LSOは一時的なファイルではなく、永続的に保存されるため、情報が消去されにくいという問題もあります。

Adobeは、これらの問題に対処するために、以下の2つの対策を提供しています。

1. Flash Playerの設定変更: Flash Playerの再生中に右クリックし、設定を選択することで、特定のウェブサイトのローカル記憶領域を0に設定できます。これにより、当該ウェブサイトのLSOの保存を阻止できます。
2. グローバル設定: Adobeのグローバル設定サイトから、Flash Player全体のLSOの設定を変更できます。これにより、すべてのウェブサイトのLSOの保存を制御できます。

プライバシー問題

LSOはクッキーと同様に使用できるため、マーケティング目的で利用されるケースも存在します。例えば、「楽天ad4U」のような広告配信サービスで利用されることがあります。しかし、クッキーほど一般に認知されていないため、ユーザーがLSOの存在に気づかないまま利用している場合も多いのが現状です。

詳細については、行動ターゲティング広告のプライバシー問題に関する記事も参照してください。

LSOの大きな問題点は、クッキーとは異なり有効期限がないため、情報が削除されないという点です。ユーザーが手動で削除しない限り、LSOに記録された情報は永続的に保存され続けます。

LSOファイルの保存場所

LSOファイルは、使用している製品や設定によって異なる場所に保存されます。以下は、一般的なLSOファイルの保存場所の例です。

Windows: ユーザープロファイルのAppData\Roaming\Macromedia\Flash Player\ #SharedObjectsに保存されることが多いです。
macOS: ユーザープロファイルのLibrary/Preferences/Macromedia/Flash Player/#SharedObjectsに保存されることが多いです。
Linux: ユーザープロファイルの.macromedia/Flash_Player/#SharedObjectsに保存されることが多いです。

確認されている不具合

Flash Player 10において、64KB以上のデータをLSOに読み込むことができない不具合が確認されています。そのため、Flash Player 10でLSOを使用する際は、保存するデータの容量を64KB未満に抑える必要があります。この不具合は、2009年7月30日以降にリリースされたFlash Playerで修正されています。

LSO関連ソフトウェア

LSO関連のソフトウェアは、主に以下の2つの観点から開発されています。

1. セキュリティ関連: LSOの削除や書き込み制限を行うもの。
2. 閲覧・編集関連: LSOの内容を閲覧したり編集したりするもの。

セキュリティ関連ソフトウェア

Objection: Firefoxの拡張機能で、LSOの削除を行うことができます。
CCleaner: レジストリ最適化ソフトとして知られていますが、LSOの削除機能も備えています。
Sandboxie: サンドボックス環境を作成するためのセキュリティソフトウェアで、LSOの書き込みを制限する機能があります。

閲覧・編集ソフトウェア

SolVE
.sol Editor
Dojo Toolkit
MAXA Cookie Manager
PyAMF
SOLReader
s2x

関連項目

Adobe Flash
サンドボックス (セキュリティ)
HTTP cookie
* マジッククッキー

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