Longtime Favorites

アルバム『ロングタイム・フェイヴァリッツ』

竹内まりやが2003年10月29日にリリースした『ロングタイム・フェイヴァリッツ』は、彼女にとって初のカバーアルバムとなります。キャッチーなタイトルが示す通り、彼女が長年愛してきた楽曲を集めた、特別な一枚です。このアルバムは、竹内の音楽のルーツとも言える1960年代のアメリカ、イギリス、イタリア、フランスの楽曲をリクリエイトしたもので、当時の音楽シーンのエッセンスを現代に甦らせています。

記事の中で特に興味深い点は、彼女のこれまでのアルバムが夫である山下達郎によるプロデュースであったのに対し、本作では自身がプロデューサーとして関与している点です。この挑戦は、竹内まりやの新たな一面を引き出すことにつながりました。特に、公式ホームページでは山下達郎がこのアルバムの制作過程についてのメモや解説を公開していますので、ファンにとっては非常に貴重な情報源となっています。また、CDには竹内自身による深い解説が収録されており、楽曲への理解を深める手助けをしています。

初回限定盤には、特典として収録曲の別バージョンやカラオケトラックを収めたボーナスCDが同梱されています。このファンサービスは、ファンにとってより多様な形で楽曲を楽しむ機会を提供します。

収録されている楽曲の中には、1960年代の名作が多数含まれており、例えばなみだの16才（IT HURTS TO BE SIXTEEN）は1990年にシングルとしてリリースされた曲のカップリングとしても知られています。特に注目すべきは、次のような曲たちです。

• - 悲しき片想い (YOU DON'T KNOW)：原曲はヘレン・シャピロの作品で、竹内の日本語版も評価されています。
• - なみだの16才 (IT HURTS TO BE SIXTEEN)：アンドレア・キャロルが1963年に発表した、竹内の歌声の魅力が光る曲。
• - 悲しきあしおと (FOOTSTEPS)：スティーヴ・ローレンスによる楽曲を竹内が再interpreted。
• - 恋のひとこと (SOMETHING STUPID)：フランク・シナトラとナンシー・シナトラのデュエットからインスパイアを受けた一曲。

このアルバムは、竹内まりやの充実した音楽キャリアのひとつの集大成とも言える作品です。さまざまな国や文化からの影響を受け取りながらも、竹内ならではの個性が際立った楽曲が集められているため、聴き手には新たな発見や感動を与えてくれることでしょう。それに加え、山下達郎とのデュエット曲も含まれており、夫婦の絆を感じさせる内容ともなっています。

『ロングタイム・フェイヴァリッツ』は、その名の通り、竹内まりやが長年にわたって影響を受けてきた楽曲たちへの愛情が詰まったアルバムです。この音楽的旅の中で、彼女は自身のアイデンティティを深め、リスナーに新たな視点を提供しているのです。

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