M BEST

加藤ミリヤ『M BEST』徹底解説

『M BEST』は、シンガーソングライター加藤ミリヤが2011年8月3日にリリースした初のベストアルバムです。デビュー7周年を記念し、初期から当時までの代表曲を網羅した、まさに集大成と呼べる作品となっています。

アルバム概要

本作は初回生産限定盤と通常盤の2形態で発売されました。初回生産限定盤は豪華な三方背BOX、四面デジパック仕様に加え、スペシャルフォトブック、ミュージックビデオとライブ映像を収録した特典DVD2枚が付属する豪華版。現在は入手困難となっています。

収録内容は、2004年のデビューから2011年までに発表されたシングル25曲（両A面含む）、カップリング曲2曲、アルバム人気曲4曲、そして新録曲2曲という充実ぶり。9thシングル「My Girl feat.COLOR」は未収録ですが、それ以外の代表曲はほぼ網羅されています。

特筆すべきは、全曲にリマスタリングが施されている点。公式にはアナウンスされていませんが、音質が向上しており、よりクリアで迫力のあるサウンドで楽曲を楽しめます。

ジャケットとフォトブック

ジャケットおよび別ブックレットは、ファッション誌『VOGUE JAPAN』がプロデュース。アーティストのCDパッケージを手がけるのは本作が初となります。フォトブックは、3人のカメラマンがそれぞれの視点で東京をテーマに加藤ミリヤを捉えた、スタイリッシュな仕上がりです。

新録曲

新録曲は「RAINBOW」と「Me」の2曲。「RAINBOW」はテレビ朝日系ドラマ『バラ色の聖戦』の主題歌として書き下ろされ、ドラマのファッションシーンに合わせて特別編集されたバージョンも劇中で使用されました。「Me」は、加藤ミリヤ自身が「最も私らしい曲」と語る、内面を深く掘り下げた楽曲です。

アルバムタイトルの「M BEST」には、ミリヤの「M」だけでなく、自分自身の「me」という意味も込められています。

チャート成績とツアー

発売前日のオリコンアルバムデイリーチャートで1位を獲得し、週間チャートでも首位を獲得。自身初の2作連続アルバム首位となり、ベスト盤としては最大の売上を記録しました。

このアルバムを携え、全国ツアー「KAWI JAMELE presents 加藤ミリヤ M BEST TOUR 2011」が開催され、多くのファンを魅了しました。

DISC1: 10代の軌跡 (2004-2008)

DISC1には、「夜空」「ディア・ロンリーガール」「ジョウネツ」など、10代の頃にリリースされた楽曲が収録されています。サンプリングを大胆に取り入れた楽曲が多く、当時の音楽シーンに大きなインパクトを与えました。

DISC2: 20代の進化 (2008-2011)

DISC2には、「SAYONARAベイベー」「Love Forever」「Aitai」など、20代になってからの楽曲が収録されています。恋愛や友情、人生について深く掘り下げた歌詞が特徴で、多くの共感を呼びました。

収録曲について

収録曲は多岐に渡りますが、初期の代表曲である「夜空」は、BUDDHA BRANDの「人間発電所」をサンプリングしたことで話題になりました。また、「ディア・ロンリーガール」は、マーヴィン・ゲイや佐東由梨といった幅広いアーティストの楽曲をサンプリングしており、彼女の音楽的なルーツを垣間見ることができます。

清水翔太とのコラボレーション楽曲「Love Forever」や「BELIEVE」も収録されており、2人のハーモニーが美しいバラードとして人気を集めました。

総評

『M BEST』は、加藤ミリヤの7年間の音楽活動の集大成であり、彼女の魅力を余すところなく堪能できる作品です。リマスタリングによる高音質化、VOGUE JAPANプロデュースによる洗練されたジャケットデザイン、そして新曲とヒット曲の数々。加藤ミリヤのファンはもちろん、彼女の音楽に初めて触れる人にもおすすめできる一枚です。

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