M&Tバンク・スタジアム

M&Tバンク・スタジアムは、アメリカ合衆国メリーランド州ボルチモアに位置する多目的スタジアムです。1998年に開場して以来、NFLのボルチモア・レイブンズの本拠地として、また様々なスポーツイベントの舞台として利用されています。このスタジアムは、近隣にあるMLBのボルチモア・オリオールズの本拠地、オリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズとも隣接しており、地域におけるスポーツの中心地としての役割を担っています。

開場当初は「レイブンズ・スタジアム・アット・カムデン・ヤーズ」という名称でしたが、スポンサーシップの変更を経て、現在の「M&Tバンク・スタジアム」に至っています。この変遷は、スタジアムの歴史を物語る上で重要な要素です。

歴史

1998年の開場時、スタジアムは「レイブンズ・スタジアム・アット・カムデン・ヤーズ」という名前でした。この名称は、かつてこの地にあった操車場「カムデン・ヤーズ」に由来しており、隣接するオリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズも同様に、その歴史を受け継いでいます。

1999年には、インターネットサービスプロバイダのPSIネットが命名権を取得し、「PSIネット・スタジアム」と改名されました。しかし、PSIネットが2002年に倒産したため、元の名称に戻りました。その後、同年9月11日にボルチモア・コルツの伝説的なクォーターバック、ジョニー・ユナイタスが亡くなった際には、彼の名をスタジアムに冠する動きもありましたが、最終的には新たな命名スポンサーを探すことになりました。

そして、2003年にM&Tバンクが15年間、7500万ドルの契約で新たなスポンサーとなり、現在の「M&Tバンク・スタジアム」という名称が定着しました。この命名権には、スプリント・ネクステルやカーマックスといった大手企業も関心を示していました。

2015年には、NFLドラフトに関連したイベントが予定されていましたが、警察に逮捕された黒人男性が死亡したことに伴う暴動が発生し、イベントは中止されました。この出来事は、スタジアムが地域社会と密接に関わっていることを示しています。

デザインの特徴

M&Tバンク・スタジアムのデザインには、2つの大きな特徴があります。

1つ目は、最上部の席が4分割されていることです。従来、NFLのスタジアムでは円形または楕円形の客席が一般的でしたが、当スタジアムでは、最上部の客席が4つのセクションに分かれており、それぞれのセクションの間には空間が広がっています。これにより、観客はボルチモアの美しい風景を眺めることができます。

2つ目の特徴は、観客用のスロープがスタジアム内部に設置されていることです。以前は、スロープはスタジアムの外に設置されることが多かったのですが、当スタジアムでは、観客がよりスムーズに席に移動できるよう、スタジアム内部にスロープが設けられています。

これらのデザイン要素は、M&Tバンク・スタジアムを単なるスポーツ施設ではなく、観客にとって快適で特別な体験を提供する場所としています。

主な利用

M&Tバンク・スタジアムは、主にアメリカンフットボールとラクロスの試合で使用されています。NFLのボルチモア・レイブンズの本拠地として、数多くの熱戦が繰り広げられています。また、ラクロスでは、かつてMLLのボルチモア・ベイホークス（現ワシントン・ベイホークス）が本拠地として使用していたほか、NCAAの試合も頻繁に開催されています。

これらの要素が組み合わさり、M&Tバンク・スタジアムは、ボルチモアのスポーツ文化を象徴する、地域にとって重要なランドマークとなっています。

外部リンク

ボルチモア・レイブンズ公式サイト（英語）
Maryland Stadium Authority公式サイト（英語）

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