M.I.A. (歌手)

M.I.A. (Missing In Action)

M.I.A.（エム・アイ・エイ）、本名 Mathangi "Maya" Arulpragasam は、1975年ロンドン生まれのイギリス人ミュージシャン、美術家、デザイナーです。彼女の芸名「Missing In Action」は、スリランカ内戦で消息を絶った父親へのメッセージが込められています。タミル系のルーツを持ち、音楽、アートを通して政治的なメッセージを発信し続けています。

来歴

M.I.A.は、両親の仕事の関係でロンドンで生まれましたが、生後半年でスリランカへ移住。父はLTTE（タミル・イーラム解放のトラ）のオリジナル・メンバーとして活動していましたが、政府に追われる身となり家族と離れ離れになります。内戦の影響で多くの親戚や友人を失い、11歳の時に母親と2人の兄弟と共に難民としてイギリスへ移住しました。イギリスでパブリック・エナミーなどのヒップホップや、ダンスホールレゲエといったクラブミュージックに出会い影響を受けます。

セントラル・セント・マーチンズではファインアートと映画を専攻し、ヴィジュアル・アーティストとしての才能を開花させました。エラスティカのアルバムジャケット制作や、全米ツアーに映像ディレクターとして参加。ピーチズのライブに衝撃を受け、音楽の道へ進むことを決意します。

2003年、独学で制作した楽曲「Galang」をインディーズレーベルからリリース。500枚限定生産ながらロンドンのDJを中心に人気を集め、XLレコーディングスとの契約を獲得。2004年には「Sunshowers」で正式デビューを果たします。その後、DJディプロとのミックステープ「Piracy Funds Terrorism」を発表し、話題を呼びました。

音楽性

2005年、1stアルバム『Arular』をリリース。このアルバムは、既存の音楽シーンに大きな衝撃を与え、その後の音楽シーンに多大な影響を与えたと言われています。ミッシー・エリオットも彼女の才能に惚れ込み、自身のアルバムでコラボレーションを実現しています。2007年には2ndアルバム『Kala』をリリース。ビザの問題や自身の意向により、大物プロデューサーからのオファーを断り、Switch、Blaqstarr、ディプロ、ティンバランドらと制作。ローリング・ストーン誌で2007年のベストアルバムに選出されるなど、高い評価を得ました。

その他

2002年に開いた初の個展では、俳優のジュード・ロウが作品を全て購入。その資金でセント・ヴィンセント島へ旅行し、ダンスホールレゲエにインスパイアされたことが、翌年の「Galang」制作のきっかけになったと言われています。

2012年のスーパーボウル・ハーフタイムショーでは、マドンナと共演した際に中指を立てるパフォーマンスを行い、物議を醸しました。

ライブのオープニングでは、革命家・外山恒一の政見放送に英語字幕を入れた映像を流すなど、政治的なメッセージを込めた演出も行っています。アルバムタイトルの「Arular」は父親のコードネーム、「Kala」は母親の名前から取られています。

ディスコグラフィー

2005年 - アルラー
2007年 - カラ
2010年 - マヤ
2013年 - マタンギ
2016年 - AIM

その他

2004年 - Piracy Funds Terrorism
* 2007年 - サウンド・オブ・クドゥル ( ブラカ・ソム・システマ featuring M.I.A. )

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