M18 57mm無反動砲

M18 57mm無反動砲について

概要

M18 57mm無反動砲は、アメリカで開発された軽量の対装甲武器です。この砲は無反動設計で、歩兵部隊が簡単に運搬でき、実戦で効果的に使用することを目的としています。アメリカは、1906年にデイビス砲を開発したものの、その後は他国の進展に追いつけませんでしたが、ドイツのLG40無反動砲を参考にしてM18を開発しました。

1943年には、北アフリカ戦線でドイツのLG40を鹵獲し、その設計を基により高性能な無反動砲の開発が進められました。この過程で、独自の技術と設計を導入し、最終的にはM18 57mm無反動砲が完成しました。

構造

M18はドイツ製の無反動砲の単なるコピーではなく、革新的な技術が取り入れられています。反動を抑えるほか、燃焼ガスの後方噴射を利用する点ではドイツの技術と類似していますが、M18独自のクロムスキット式を採用しました。この方式により、高初速の弾道を実現し、威力を強化することに成功しました。さらに、砲弾に軟金属製のバンドを巻きつけることで摩擦を軽減し、軽量化を図りました。

砲架には、流用可能な重機関銃用の三脚を使用し、車両に搭載することもできました。また、単独で肩に担いでの使用も可能で、これにより運用の幅が広がりました。運搬も容易で、専用のバックを使用して携行することができました。

運用歴

1943年11月に「T15」として試験が開始され、1944年後半には正式に「RIFLE, 57-MM M18」と命名されました。1945年3月には量産が始まり、ドイツや太平洋戦線の沖縄で実戦投入されました。当初は、57mmという口径は対戦車能力に限界がありましたが、歩兵にとっては貴重な火力とされました。

第二次世界大戦後も、一部は韓国戦争で使用されましたが、北朝鮮軍の最新装備に対して効果的ではありませんでした。その後、優れた対戦車能力を持つM67無反動砲や新開発の対戦車ミサイルにより、M18は退役していきました。

日本およびその他の国での運用

日本では、1951年から警察予備隊に供与されましたが、その後の評価は低く、早期に予備兵器となりました。最終的に1989年まで保管されていました。

また、中華民国ではアメリカから援助品が供与されましたが、自国生産されたものは品質に問題があり、実用化されないままでした。一方、中国ではアメリカの供与を受けた砲を基に独自にコピー生産し、他国にも供給していました。

結論

M18 57mm無反動砲はその設計と実戦での使用により、対装甲戦における重要な歴史的役割を果たしました。その革新的な技術とその後の各国での運用は、無反動砲の進化に大きな影響を与えました。

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