M1916 37mm歩兵砲

M1916 37mm歩兵砲概要

M1916 37mm歩兵砲（仏語：Canon d'Infanterie de 37 modèle 1916 TRP）は、フランス陸軍が採用した歩兵砲で、特に第一次世界大戦において重要な役割を果たしました。この火砲は、フランスのピュトー工廠で製造されたため、国内外で「ピュトー砲」または「プトー砲」と呼ばれることがあります。

歴史と採用

1916年に正式に採用され、その後すぐに第一次世界大戦の戦場に投入されました。M1916 37mm歩兵砲は、主に敵の機関銃陣地を直接攻撃し、破壊するために用いられました。また、戦争が進むにつれて新たに登場した戦車に対応するため、車載型であるピュトーSA18も開発されました。

設計の特徴

この歩兵砲の大きな特徴は、偏心螺式尾栓（Nordenfelt Breech）を採用している点です。この設計により、後方から円形の尾栓を回転させることで、弾薬を装填するための穴を砲尾から閉鎖することができました。これにより、装填作業を迅速に行うことができ、戦場での機動力が向上しました。

車載型とその展開

車載型のピュトーSA18は、ルノー FT-17軽戦車に装備され、戦場での効果を発揮しました。さらにはアメリカ陸軍もルノー FTをライセンス生産し、M1917軽戦車にこの歩兵砲の車載型を約1,200門追加しました。これにより、M1916 37mm歩兵砲は国際的にも広まることとなりました。

影響と派生型

M1916 37mm歩兵砲の設計は、世界中でコピーや類似品の製造を促進しました。特に日本では、この火砲から影響を受けて「三十七粍機関銃破壊砲」が開発され、後に「狙撃砲」に改称されました。そして、この砲の設計を基にして、更なる軽量化と炸裂威力の向上を目指して、十一年式平射歩兵砲が開発されました。

性能と評価

M1916 37mm歩兵砲は手軽で使いやすい歩兵砲でしたが、対戦車戦闘においては初速が低いため装甲貫通力が不足していました。このため、対戦車砲としての能力には限界がありましたが、歩兵戦においては重宝され、時に質の高い戦果を挙げることができました。

まとめ

M1916 37mm歩兵砲は、シンプルながら効果的な設計で、その後の火器開発に大きな影響を及ぼしました。いまだにこの砲は、戦争史や火砲技術の重要な要素として語られ続けています。また、設計や運用方法における多様性は、多くの国の軍事技術の発展に寄与しました。

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