M3 (同人)

M3（エムスリー）とは

M3は、「Music Media-Mix Market」の略称で、日本最大級の音系同人即売会です。アマチュアからプロまで、音楽制作に携わる人々が自作の音楽作品をCDやDVDなどの媒体で頒布・販売する場として知られています。

このイベントでは、オリジナル楽曲だけでなく、カバー曲や二次創作作品、ドラマ、ムービー、ゲームなど、多岐にわたるジャンルの作品が扱われます。表現方法も、楽器演奏、歌唱、MIDI音源、コラージュなど、多種多様です。参加者は毎回約1万人にのぼり、2014年には1200を超えるサークルが参加しました。

開催内容

M3では、プロ・アマを問わず、制作者が音で表現した同人創作物が中心に扱われます。MIDI音源を使った作品、生演奏を収録したバンドCD、ボーカロイド関連作品など、幅広いジャンルが対象です。頒布される媒体もCDだけでなく、レーベル印刷のない白盤、映像や写真入りのDVD、ブックレットや写真集など、多様な形態で販売されます。

多くの同人音楽作品は、このイベントでの発表を目指して制作されています。類似のイベントとしては、ボーカロイド関連の「THE VOC@LOiD M@STER」や、同人ゲーム「東方Project」の二次創作を扱う「博麗神社例大祭」などが挙げられます。

参加者は公式パンフレットを購入後、会場に入場します。パンフレットは書店やアニメ・同人グッズ専門店、当日の販売窓口で購入可能です。参加者はパンフレットを参考に会場内を移動し、お目当ての作品を探します。参加サークル情報は、公式サイトで数週間前に公開されるほか、有志によるサークル検索サイトも存在します。サークルリストには、各サークルの公式サイトやTwitterアカウントへのリンクも併記されています。

運営はボランティアスタッフによって行われており、参加者同士の交流を重視しています。サインや握手など、参加者と制作者が直接触れ合える機会も設けられています。

コスプレに関しては、現在会場側の要請により一般参加者のコスプレは禁止されています。サークル参加者は、自身のサークルスペース内や準備会の許可を得た企画内でのみコスプレが可能です。

歴史

M3は、同人誌即売会コミックマーケットで音楽ジャンルの参加者が集まり、自分たちで音楽中心の即売会を開催しようとしたことがきっかけで始まりました。1998年3月21日に第1回が開催され、以降、毎年春（4月下旬～5月上旬）と秋（10月頃）の年2回開催されています。

イベント名は「M3-99春」「M3-2002秋」のように、開催年と季節を組み合わせて呼ばれます。2008年には開催10周年を記念して、初の東京以外の開催となる「M3-大阪」が開催されました。

反響

2015年に発行された書籍『オトカルチャー 002』では、M3を「多様なCDが売れる場所」と評し、「CDが売れないと言われる音楽業界とは対照的」と指摘しています。さらに、M3の参加者たちを「生産者と消費者という関係ではなく、同じイベントに違う立場で参加する仲間」と表現し、直接交流を通じて「原始的な音楽シーンの熱量を体感できる」としています。そして、この熱量こそがM3の創造性の源泉であると結論付けています。

開催施設

M3はこれまで、以下の施設で開催されてきました。

東京文具共和会館（東京都台東区） - 第1・3・7回
東京流通センター（東京都大田区） - 第2・6・25-34回
東京卸商センター（東京都台東区） - 第4-5・8-10回
大田区産業プラザ（東京都大田区） - 第11-23回
大さん橋ホール（横浜市中区） - 第24回
グランキューブ大阪（大阪市北区） - M3-大阪

まとめ

M3は、同人音楽シーンにおいて重要な役割を果たしており、多くの音楽クリエイターとファンにとって、作品発表と交流の場として欠かせない存在です。

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