M30 107mm迫撃砲

M30 107mm迫撃砲について

M30 107mm迫撃砲は、アメリカ製の重迫撃砲であり、特にその口径は107mm（4.2インチ）です。この迫撃砲は、1951年に朝鮮戦争の最中に制式採用され、その後ベトナム戦争でも使用されました。

開発背景

M30は、M2 107mm迫撃砲の後継として開発されました。M2と同様の砲弾を使用しているため、M30の砲身にはライフリングが施されています。しかし、M30はM2よりも長い砲身を持ち、これによって射程が延びました。また、その重さは約2倍になっており、これにより砲撃時の安定性も向上しています。

構造と設計

M30迫撃砲は、特にその底盤が円形である点が特徴です。砲身および支持脚は専用のローテーターを介して接続されています。この設計により、M30は360度の回転が可能となり、より柔軟な攻撃が可能です。しかし、重くなったことで、設営や人力による運搬の難しさも増しています。そのため、移動する際には、分解してM416A1 1/4tトレーラーに搭載し、ジープで牽引する必要があります。

さらに、機甲や機械化歩兵部隊に対応するため、M113装甲兵員輸送車にM30迫撃砲と砲弾を搭載した自走迫撃砲、M106も製造されています。

退役と現状

アメリカ陸軍は1990年に、イスラエル製のソルタムK6 120mm迫撃砲をライセンス生産したM120 120mm迫撃砲へと更新したため、M30は退役しました。また、現在多くの国が120mm迫撃砲への移行を進めています。

採用国

M30迫撃砲は、アメリカだけでなく、さまざまな国で運用されてきました。特に、韓国の陸軍および海兵隊では、K242自走迫撃砲やK532自走迫撃砲（Bv.206の後部車体に搭載）が使用されています。韓国ではヒュンダイWIAによってKM30の名でライセンス生産も行われています。中華民国（台湾）でも1969年からライセンス生産が開始され、62式4.2英寸迫撃砲として正式採用されました。また、フィリピンやギリシャ、ブラジル、パラグアイ、ボリビア、コロンビア、エクアドルなどでも運用されています。

スペックと性能

M30の主要なスペックは以下の通りです。

• - 種別: 迫撃砲
• - 口径: 107mm
• - 砲身長: 1,524mm
• - 重量: 305kg

性能

• - 有効射程: 770mから6,800m
• - 発射速度: 最大18発/分、持続3発/分

使用弾薬

M30は、以下のさまざまな弾薬を使用します。

• - M329A1榴弾：最大射程5,650m、重量12.3kg
• - M329A2榴弾：最大射程6,800m、重量10kg
• - M34A1榴弾：最大射程4,620m、重量12.2kg

まとめ

M30 107mm迫撃砲は、その設計や性能から多くの国に採用され、戦場で重要な役割を果たしてきました。現在では徐々に新しいモデルに更新されているものの、歴史的な意義は色褪せることはありません。

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