M462 アビール

M462 アビール（A462 Abir）

M462アビールは、イスラエルのオートモーティブ・インダストリーズ（AIL）によって開発された四輪駆動の中型軍用車両です。この車両は、1970年から1993年の間にイスラエル国防軍（IDF）で使用されたM325ヌンヌンの後継車両として位置づけられています。1980年代中頃からM325の更新が始まり、M462アビールが登場しました。アビールという名称は、ヘブライ語で「騎士」を意味し、強さや坚韧さを象徴しています。

概要と設計

M462アビールは、その設計の多くを前モデルであるM325から継承していますが、全体的に若干の小型化が図られています。それでもエンジン出力は大幅に向上しており、より強力な性能を誇っています。車両は1,800kgの積載能力を持ち、さまざまな派生型が存在し、特定任務に応じた運用が行われています。基本の兵員輸送型は非装甲ですが、荷台にはベンチシートが装備されています。

戦歴と運用

M462の運用開始は1980年代であり、今もなお現役として用いられています。しかし、派生型を含めたM462は本格的な装甲戦闘車両ではないため、レバノン南部などの危険地域での積極的な軍事作戦にはあまり投入されていません。主にイスラエル国内でのパトロール任務や比較的危険度の低い任務に用いられることが多く、そのためメディアでの露出は少ないのが現実です。

現代の軍事環境においては装輪式の輸送車両に対する防御能力の要求が高まっており、完全装甲化されたZeev装輪装甲車が開発され、M462と併せて配備されています。M462もまた、前任のM325同様に南米やアフリカなど数か国に輸出されており、国際的な評価を得ています。

様々な派生型

M462アビールには多様な派生型が存在し、それぞれ異なる役割を果たしています。代表的なものには以下があります：

• - M462 アビール・オレフ（TOW）: BGM-71 TOW対戦車ミサイル発射器を搭載しており、装備形状はM151等と同じです。
• - M462 ライノAPC: 安全性を考慮し、荷台に装甲化された兵員室を設けた兵員輸送型です。
• - M462 アビールMEV: 野戦救急車型で、医療関連の任務にも適しています。

また、M40 106mm無反動砲を搭載したバリエーションや、消防車型も存在し、運用の幅を広げています。

使用国と関連情報

M462アビールは以下の国々で使用されています：

• - イスラエル
• - ボツワナ
• - コロンビア
• - グアテマラ
• - ペルー

M462アビールに類似する車両には、ダッジ・ウェポンキャリアやM325ヌンヌン、小型軍用車のM151、同時期にイスラエル軍で活躍した小型装甲車両であるMDTダビデなどが挙げられます。これらの情報からも、M462アビールの多様性と重要性がうかがえます。

今後もM462アビールは、様々な任務で現役での活躍が期待されている、頼もしい軍用車両であり続けるでしょう。

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