M40 106mm無反動砲

M40 106mm無反動砲

M40 106mm無反動砲は、アメリカ合衆国によって開発された無反動砲であり、その設計はM27 105mm無反動砲の改良に基づいています。命名の理由は、実際の口径が105mmであるにもかかわらず、他のモデルとの弾薬の識別を目的とし、106mm無反動砲と呼ばれるためです。この兵器は、地上からの射撃と車両上からの射撃の両方可能であり、実用性の高い設計がなされています。

構造と機能

M40の特徴的な点は、照準システムにあります。砲身には照準器が装備されていますが、再装填に手間がかかるため、正確な一撃に賭ける必要があります。これを補うため、同軸に設置されているスポッティングライフルを使用して、あらかじめ砲弾の着弾点を予測します。これは、発射する弾薬の着弾点を視覚的に明確にするための工夫です。

アメリカ軍では、M40は主に歩兵大隊の対戦車小隊に配備され、ベトナム戦争においてもその運用が見られました。しかしながら、後にBGM-71 TOW対戦車ミサイルにその役割が置き換えられる形となりました。アメリカ陸軍に限らず、日本やオーストラリアなど他国でも採用されており、多くの国で依然として活躍しています。

日本における運用

日本の陸上自衛隊では、M40は60式106mm無反動砲としてライセンス生産され、運用されています。これらは、日本製鋼所で製造された砲および砲架と、豊和工業が製造したスポッティングライフルの構成で成り立っています。かつては、近距離対戦車兵器として師団対戦車隊や普通科部隊に配備されていましたが、現在では新しい誘導弾への更新が進められており、退役する便が増えています。

車両への搭載

M40 106mm無反動砲は、重さが200kgを超えるため、運用する際は車両への搭載が基本です。運用当初は1/4トントラックに搭載されましたが、73式小型トラックが導入された後はそちらへも乗せられるようになりました。しかし、新型の73式小型トラックには搭載されないという制約があります。装軌車両に搭載された場合、それは特に60式自走106mm[[無反動砲]]として知られていますが、こちらは車両に固定されているため厳密には同一の兵器ではありません。

諸元と性能

M40はその構造上、特に長距離の機動性には難があります。このため、長距離移動は専ら車両によって行われます。同砲は、特殊鋼製の砲身を持ち、発射速度は1分間に1発であり、最大射程は7,700mに達します。また、弾薬としては成形[[炸薬弾]]や粘着榴弾、さらには対人榴弾やフレシェット弾が用意されています。

M40無反動砲は、歴史的に見ても数多くの国々で採用されており、ライセンス生産品が供給される国も存在します。イランでは「ANTI-TANK GUN 106」として生産され、中国では「75式105毫米无后坐力炮」として模倣品が生産されています。これにより、M40の影響力は現在も強固です。

メディアにおける登場

M40は映画やゲーム、漫画など多くのメディアでも紹介されています。特に映画『ゴジラ』や『SFX巨人伝説ライン』などには陸上自衛隊の装備として登場し、その存在感を示しています。

このようにして、M40無反動砲はその設計の独自性と広範な応用範囲により、現在に至るまで多くの国で関連装備として利用されています。

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