MCUBS MidCity投資法人

MCUBS MidCity投資法人：歴史と概要

MCUBS MidCity投資法人は、かつて東京証券取引所に上場していた不動産投資信託（J-REIT）です。設立当初は、MIDリート投資法人という名称で、大阪圏を主な投資対象エリアとして2006年に設立されました。設立時のスポンサーはMID都市開発で、大阪市北区堂島浜のアクア堂島に本店を置いていました。

設立当初より、大阪の中心部に位置する複数のオフィスビルへの投資を積極的に行っていました。代表的な物件としては、ツイン21、MID今橋ビル、北浜MIDビル、MID西本町ビル、肥後橋MIDビルなどが挙げられます。これらのビルは、大阪のビジネス街におけるランドマーク的な存在であり、高い資産価値を有していました。

しかし、2015年、大きな転換期を迎えます。スポンサーが三菱商事・ユービーエス・リアルティ（MCUBS）に変更となったのです。これに伴い、投資対象エリアは大阪圏から三大都市圏（東京、大阪、名古屋）へと拡大し、本店所在地も東京に移転されました。同時に、投資法人の名称もMCUBS MidCity投資法人に変更されました。

スポンサー変更と投資対象エリアの拡大は、投資法人の成長戦略の一環として行われたと推測されます。三大都市圏は、日本経済の中枢であり、オフィス需要が常に高い水準を維持していることから、より高い収益性が見込めるエリアだったと言えるでしょう。

資産運用会社についても変化がありました。設立当初は「MIDリートマネジメント株式会社」でしたが、スポンサー変更に伴い、「MCUBS MidCity株式会社」へと商号変更されました。その後、2019年には、MCUBS MidCity株式会社は三菱商事・ユービーエス・リアルティ株式会社に吸収合併されています。

そして、2021年2月25日、MCUBS MidCity投資法人は東京証券取引所の上場廃止を迎えました。そして、同年3月1日には、日本リテールファンド投資法人に吸収合併され、その歴史に幕を閉じました。吸収合併後の日本リテールファンド投資法人は、その後、日本都市ファンド投資法人に商号変更されています。

MCUBS MidCity投資法人は、その存在期間を通して、大阪圏、そして三大都市圏のオフィスビル市場に貢献しました。その投資活動は、日本の不動産市場における重要な一翼を担っていたと言えるでしょう。しかし、企業買収や合併といった資本市場のダイナミズムの中で、その歴史は閉じたのです。この投資法人の存在は、日本の不動産投資信託市場における企業買収や合併の動向を考える上で、重要な事例として記憶されることでしょう。

主な所有ビル

ツイン21
MID今橋ビル
北浜MIDビル
MID西本町ビル
肥後橋MIDビル

関連項目

不動産証券化

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