MELON (バンド)

MELON（メロン）

MELONは、1980年代に日本の音楽シーンで独特な存在感を放ったバンドです。ニュー・ウェイヴを基盤としながらも、ファンク、ヒップホップ、エレクトロなど、時代を先取りする多様な音楽性を追求しました。

結成と初期の活動

1981年、元プラスチックスのメンバーである中西俊夫と佐藤チカを中心に、セッションバンドとして活動を開始しました。初期は、ファンク色の強いニュー・ウェイヴサウンドが特徴でした。1982年には、細野晴臣、高橋幸宏、土屋昌巳といった豪華なメンバーが参加したアルバム『Do you like Japan?』でレコードデビューを果たします。当時、原宿にあった日本初のクラブ「ピテカントロプス・エレクトス」を拠点にライブ活動を展開し、その斬新なサウンドとパフォーマンスは注目を集めました。

また、MELONと並行して、ヤン富田が参加するユニット「WATER MELON GROUP」も結成。こちらは、スティールパンを取り入れたエキゾチックなサウンドを追求し、MELONとは異なる音楽性を展開しました。

音楽性の変化と発展

1980年代の中盤になると、バンドの音楽性は大きく変化します。中西俊夫がヒップホップに傾倒し始め、1983年には屋敷豪太、プリンス工藤が加入したことで、その音楽はヒップホップやエレクトロの要素を強く帯びていきます。1985年にリリースされたシングル「Serious Japanese」では、完全なエレクトロサウンドを確立しました。そして1987年には、ロンドンでレコーディングされたアルバム『DEEP CUT』を発表し、よりヒップホップ色を強めたサウンドで新たな境地を開きました。

その後の活動とメンバーの動向

MELONはその後活動を停止（事実上の解散）しますが、メンバーそれぞれのキャリアは多岐にわたります。中西俊夫とプリンス工藤は、クラブミュージック専門のレーベル「MAJOR FORCE」を設立し、日本のクラブシーンに大きな影響を与えました。屋敷豪太は渡英し、ソウル・II・ソウルのサウンドアレンジを担当。それが英国のヒットチャートで1位を獲得するという快挙を成し遂げます。その後、シンプリー・レッドにも加入し、国際的に活躍しました。佐藤チカは音楽活動から退き、自身のアパレルブランドを立ち上げました。

メンバー

中西俊夫：ギター、ボーカル
佐藤チカ：ボーカル
屋敷豪太：ドラム、プログラミング
プリンス工藤：DJ
ヤン富田：スティールパン（WATER MELON GROUPのみ参加）

作品

アルバム

DO YOU LIKE JAPAN? （1982年 アルファレコード）
DEEP CUT （1987年 CBSソニー）
新宿ブレードランナー （1997年 アルファレコード）（ベスト盤）

WATER MELON GROUP

COOL MUSIC （1984年 アルファレコード）

シングル

P.J. / EDDIE SPAGHETTI （1982年 アルファレコード）
SERIOUS JAPANESE （1985年 CBSソニー）
HARDCORE HAWAIIAN （1987年 CBSソニー）
GATE OF JAPONESIA （1987年 CBSソニー）
FUNKASIA（1987年 EPIC）

ビデオ

DEEP CUT VIDEO REMIX （1992年 ソニーレコーズ）

参加作品

戦争反対 - スネークマンショー
ピテカントロプスの逆襲 - スネークマンショー
やんこまりたい - スネークマンショー（ベスト盤）
セレク豚 SELECTED by 電気グルーヴ - 電気グルーヴ（オムニバス盤）

参考文献

中西俊夫 『プラスチックスの上昇と下降、そしてメロンの理力・中西俊夫自伝』 K&Bパブリッシャーズ、2013年

外部リンク

* [Bounce.com 中西俊夫のニューウェイヴな世界](該当URLは入力情報にないため、外部リンクは未設定）

MELONは、その音楽性の多様さと、各メンバーがその後も音楽シーンで重要な役割を果たしたという点で、日本の音楽史において特筆すべきバンドの一つと言えるでしょう。彼らの実験的なサウンドと、時代を先取りする姿勢は、後続のアーティストたちに多大な影響を与えました。

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