屋敷豪太

屋敷 豪太：国際的に活躍する音楽家、プロデューサーの軌跡

屋敷豪太氏は、1962年2月26日、京都府綾部市生まれのミュージシャン、ドラマー、そして音楽プロデューサーです。そのキャリアは、日本の音楽シーンにとどまらず、世界へと羽ばたいており、数々の著名なアーティストとのコラボレーションや、数々のヒット曲制作への貢献で知られています。

京都府立綾部高等学校卒業後、上京。1982年、こだま和文氏らと共にバンド「ミュート・ビート」を結成し、音楽活動をスタートさせました。その後、1986年にはMELONに参加、ヨーロッパ公演も経験するなど、着実に音楽キャリアを積み重ねていきます。

1987年には、中西俊夫氏、藤原ヒロシ氏らとダンスミュージックレーベル「Major Force」を設立。音楽プロデューサーとしての才能も開花させ始めます。

転機となったのは1988年の渡英です。翌1989年、イギリスのソウル・II・ソウルに参加。プログラミング等を担当した「Keep on Movin'」は全英チャート5位を記録し、続く「Back to Life」は全英チャート1位、全米チャート4位という大ヒットを収めます。この成功は、屋敷氏の国際的なキャリアを大きく押し上げます。

1990年には、シネイド・オコナーの「愛の哀しみ（Nothing Compares 2 U）」で全楽器演奏とプログラミングを担当。この曲は、全英、全米チャートで1位を獲得するメガヒットとなり、屋敷氏の音楽プロデューサーとしての地位を不動のものとしました。

1991年には、人気グループ「シンプリー・レッド」にドラマーとして正式加入。ワールドツアーに参加するなど、同グループの黄金期を支え、1991年リリースのアルバム『スターズ』は全英チャートで12週間1位を獲得するなど、大きな成功を収めました。

その後も、活躍は続きます。1995年には、映画「バットマン フォーエヴァー」のサウンドトラックに収録されたシールの「Kiss From A Rose」に参加。この曲は、全米チャート1位、全英チャート4位を記録しました。

1997年には、自身のアルバム『It's So Different Here』がアメリカでリリースされ、ビルボードR&Bチャートで1位を獲得。ソロアーティストとしての成功も収めました。

シンプリー・レッドでの活動と並行して、ネナ・チェリー、マッシヴ・アタック、アラニス・モリセットなどの作品でプログラミングやアレンジを担当。デペッシュ・モードやビョークの楽曲のリミックスも手掛けるなど、その活動は多岐に渡ります。

2010年には、プラスチックスの再結成に参加。2015年には、ミュート・ビート時代のメンバーらと共にライブ・ダブ・バンド「DUBFORCE」を結成するなど、精力的に活動を続けています。

音楽活動以外にも、原発問題・放射能問題についての団体「オペレーション・コドモタチ」の賛同者として活動するなど、社会貢献にも積極的に取り組んでいます。

ディスコグラフィーはシングル、アルバム共に多数あり、CMソングや映画音楽、さらにはサッカー国際試合の入場曲のアレンジなども手掛けています。テレビドラマの音楽も担当しており、幅広いジャンルで活躍しています。

屋敷豪太氏のキャリアは、卓越した音楽性とプロデューサーとしての才能、そして国際的な視野を融合させた、類まれな成功物語と言えるでしょう。その功績は、日本の音楽史に大きな足跡を残しています。

もう一度検索