MINORI CHIHARA LIVE "SUMMER DREAM"

茅原実里河口湖野外ライブの軌跡：SUMMER DREAMからSUMMER CHAMPIONへ

声優、歌手として活躍する茅原実里が、2013年から2017年まで河口湖ステラシアターで開催していた野外ライブ「MINORI CHIHARA LIVE "SUMMER DREAM"」。本記事では、その前身である「SUMMER CAMP」から、後継となる「SUMMER CHAMPION」まで、茅原実里と河口湖の深い繋がり、ライブの歴史を詳細に解説します。

SUMMER DREAM (2013年 - 2017年)：5年間の夏の夢

「SUMMER DREAM」は、2013年から2017年まで毎年8月に河口湖ステラシアターで開催された野外ライブです。茅原実里は、2009年から2012年まで「SUMMER CAMP」というタイトルで同会場での野外ライブを行っており、2013年にエイベックス・プランニング&デベロップメントから独立したことを機に、「思い切って変えてみよう」という思いから名称を変更しました。

河口湖ステラシアターでの野外ライブは、「SUMMER CAMP」時代から数えて9年連続、通算20公演を超え、茅原実里は同会場で最も多くライブを行ったアーティストとなりました。継続的な河口湖公演は、茅原実里にとって河口湖を第二の故郷と言えるほど特別な場所としています。

「SUMMER CAMP」とは異なり、「SUMMER DREAM」のライブ映像は商品化されていません。しかし、「ピーカン Vacation☆」や「危ないくらいに熱くなれ」など、ライブを意識して制作された楽曲は多数存在します。毎回行われる公開リハーサルや、旗曲での茅原実里とCMB（Cherry Milky Balloon）メンバーによる会場外でのファンサービス、ゲネプロ後のバーベキュー大会、そしてコンサートラストを飾る花火など、数々の名場面がファンの記憶に刻まれています。

また、富士急行線とのコラボレーション企画も毎年実施され、コンサート開催期間中は、車内ポスターやヘッドマークを茅原実里仕様にした特別列車「SUMMER DREAM号」、「SUMMER CHAMPION号」が運行されました。車内アナウンスや河口湖駅構内アナウンスも茅原実里本人が担当し、ライブを盛り上げました。

テーマ曲「SUMMER DREAM」

2015年からは、ライブのテーマ曲として「SUMMER DREAM」が用いられました。この楽曲は、茅原実里が作詞・作曲を手掛け、藤田淳平が編曲を担当したカントリー調のナンバーです。茅原実里自身が「陽気な気分」で制作したと語るように、歌詞やメロディーには遊び心が散りばめられています。ライブでは、ファンと共に大空の下で大合唱することを想定して作られた楽曲であり、Cメロ部分の「S・U・M・M・E・R」を人文字で表現するパフォーマンスは、ライブの名物となりました。

マスコットキャラクター「サマ鳥」

「SUMMER DREAM」のために制作されたマスコットキャラクター「サマ鳥」も、ライブの人気を支える存在です。「サマ鳥」は、キーホルダーなどの限定グッズとして販売された他、LINEスタンプにも登場しました。サマドリ3、4では着ぐるみが制作され、公演中に登場し、会場を沸かせました。「SUMMER DREAM4」では、「サマ鳥」の彼女である「サマドリ子」が登場。「サマ鳥」と「サマドリ子」の声は茅原実里が担当し、公演前の前説などで活躍しました。

SUMMER CHAMPION (2018年 - 2021年)：新たな夏の伝説

2018年、「SUMMER DREAM」は「SUMMER CHAMPION」として新たなスタートを切ります。茅原実里にとって、河口湖ステラシアターでのライブは2009年の「SUMMER CAMP」から10年連続となりました。「10という数字をコンサート名に刻みたい」「夏のチャンピオンは世界中で自分しかいない」という茅原実里の思いが込められたタイトルです。

コロナ禍での挑戦：2020年のオンラインライブ

2020年は、新型コロナウイルスの影響により、当初予定していた有観客での開催を中止せざるを得なくなりました。しかし、茅原実里はイープラス「Streaming+」システムを利用した有料無観客配信ライブとして、8月1日に再開催することを決断しました。ライブコンセプトは、河口湖ライブ通算開催年数の「12」を繰り返して発想した「自由に」。イメージビジュアルには、グラフィティアートが用いられました。

無観客開催にあたり、茅原実里はこれまでの河口湖での開催実績や地元支援を考慮し、翌年以降の通常開催を見据えて河口湖ステラシアターでの開催を継続しました。Twitterでのハッシュタグ「#サマチャン制作宣伝部」を用いたライブ演出のアイデア募集や、河口湖野外ライブの思い出や魅力を共有する企画も実施され、ファンとの一体感を高めました。

ライブ本編では、キャラクターソング企画やアコースティック歌唱コーナーなど、趣向を凝らした演出が展開されました。また、茅原実里は、週刊誌で報道された不倫について謝罪し、不倫関係にあったとされる室屋光一郎とのライブでの共演を今後行わないことを明言しました。

茅原実里と河口湖：終わらない物語

2021年、茅原実里は年内をもって歌手活動を休止することを発表しました。ラストライブの地として選んだのも、やはり河口湖でした。多くのファンに見守られながら、「SUMMER CHAMPION」は感動のフィナーレを迎えました。茅原実里と河口湖ステラシアター、そしてファンとの絆は、これからも色褪せることなく、語り継がれていくでしょう。

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