MIS CAST

アルバム『MIS CAST』の概要

『MIS CAST』（ミス・キャスト）は、日本の人気アーティスト沢田研二による18作目のオリジナルアルバムで、1982年12月10日にポリドール（現・ユニバーサルミュージック）からLP盤としてリリースされました。このアルバムは、後にCD化され、1991年と1996年に東芝EMIからも再リリースされ、さらに2005年にはユニバーサルミュージックによって再び登場しています。

特徴と制作背景

『MIS CAST』の特徴は全曲を井上陽水が手掛けた点です。井上は最初の依頼としてメロディーのみ1、2曲の提供を考えていましたが、彼は「ジュリーに提供するんだったら、詞も書きたい」と逆提案をしました。その結果、井上は曲作りを始め、なんと10曲程度がすぐに完成しました。井上の言葉を借りるなら、「自分の曲を書く時とは違い、『いやぁ、今日もモテてモテて』という歌詞が書けるから」という理由で、自然と曲が揃ったようです。

このようにして全曲が井上陽水の力によって創られたのです。

演奏と編曲

演奏を担当したのはエキゾティクスというバンドで、編曲はムーンライダーズの白井良明が主に行いました。ただし、曲「ミスキャスト」に関しては同じムーンライダーズの岡田徹が担当しています。また、本アルバムの中からシングルカットされた「背中まで45分」は、沢田が「歌って気持ち良い」と推したことがきっかけで、シングル化が決まりました。しかし、セールスは思わしくなく、沢田は自身のラジオ番組で「僕が推す曲は売れない」と辛辣に語っていました。

収録曲について

アルバム『MIS CAST』に収録されている曲は、いずれも井上陽水が手掛けたものです。リストは以下の通りです:

• - News
• - デモンストレーションAir Line
• - 背中まで45分
• - Darling
• - A.B.C.D.
• - チャイニーズフード
• - How Many "Good Bye"
• - 次のデイト
• - ジャスト フィット
• - ミスキャスト

特に「背中まで45分」と「チャイニーズフード」は、デモテープの音源が後のアルバム『LION & PELICAN』に収録され、また「A.B.C.D」はアルバム『9.5カラット』に、さらには「ジャスト フィット」と「ミスキャスト」はライブアルバム『クラムチャウダー』にて、井上自身がセルフカバーしていることでも注目されます。

参加ミュージシャン

このアルバムには、沢田研二がリードボーカルを担当し、エキゾティクスのメンバーや多くの優れたミュージシャンが参加しています。具体的には、吉田建、上原裕、柴山和彦、安田尚哉、西平彰などのプレイヤーが名を連ねており、それぞれの演奏がアルバム全体の魅力を一層引き立てています。

『MIS CAST』は、沢田研二のキャリアの中でも特にユニークなアルバムであり、井上陽水とのコラボレーションによる新たな音楽表現が魅力的です。聴く人々に多くの感動を与え続けている名盤と言えるでしょう。

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